- ビットコインは2月下旬以来の最安値に下落し、主要なサポートラインを割った。
- 5日早朝、閉鎖された暗号資産取引所のマウントゴックスは4万7228BTCをコールドウォレットから新しいアドレスに移動させた。
閉鎖された暗号資産(仮想通貨)取引所マウントゴックス(Mt. Gox)が債権者への返済に備えるためと思われる大量のビットコイン(BTC)を新しいウォレットに移動させたことで、ビットコインの売りが5日アジア時間も続いた。
トレーディングビュー(TradingView)とCoinDeskのデータでは、ビットコインは4%以上下落して5万3600ドル(約857万6000円、1ドル160円換算)となり、2月26日以来の最安値に達した。
ブロックチェーン分析会社アーカム・インテリジェンス(Arkham Intelligence)によると、協定世界時(UTC)00時27分にマウントゴックスは26億ドル(約4160億円)相当の4万7228BTCをコールドウォレットから新しいウォレットに移動させた。マウントゴックスは、2014年のハッキングで顧客から盗まれた資産の分配を開始する予定だ。
BREAKING
— Arkham (@ArkhamIntel) July 5, 2024
Mt Gox moves 47,228 BTC ($2.71 billion dollars) from cold storage to a new wallet. pic.twitter.com/3ZdSlC1IX2
14万BTC(77億3000万ドル相当)、14万3000BCH、日本円を含む返済が近々行われることが先月発表されていた。それ以来トレーダーは、10年間辛抱強く返済を待っていた債権者がコインを受け取るとすぐに売却し、市場に大量の売り圧力が生じるのではないかと懸念している。2014年にマウントゴックスがハッキングされたとき、ビットコインは約600ドルで取引されていたが、現在では5万5000ドル以上の価値があることに注意が必要だ。
一部のアナリストは最近、補償による売り圧力の可能性は限定的だろうと述べて不安を和らげようとしたが、効果はなかった。ビットコインは7日間で10%、4週間では22%下落した。
激しい売りにより、5月の安値以来サポートラインとなっていた5万6500ドルの水平線がレジスタンスラインに変わった。さらに、弱気派は重要な200日単純移動平均線(SMA)と強気相場のトレンドラインの下で足場を固めた。
|翻訳・編集:林理南
|画像:Arkham Intelligence
|原文:Bitcoin Dips Below $54K as Mt. Gox Moves $2.6B in BTC