香港の証券先物委員会、仮想通貨に投資するファンド向け規則を発行

香港の証券先物委員会(Securities and Futures Commission:SFC)は仮想通貨などの「バーチャル・アセット」に投資するファンドマネージャー向けの規則を発行した。

10月4日(現地時間)の発表で、金融市場を監視するSFCは、ポートフォリオの10%以上をバーチャル・アセットに配分するファンドを規制することを目的とした、2018年11月に発表されたフレームワークを公式化した。

37ページにわたる規則は即時有効となり、バーチャル・アセットを「デジタル・トークンの形態をとる可能性のある、価値をデジタルで表したもの」と定義した。デジタル通貨、ユーティリティトークン、セキュリティトークン、資産連動型トークンなどだ。

また、その他のバーチャル・コモディティ、暗号資産、実質的に同じ性質を持つ他の資産も含まれる。SFCの既存の規則における「証券」や「先物契約」の定義に当てはまるかどうかは問わない。

それ以外については、規則はかなり大まかだ。その大半はSFCがライセンスを与えたファンドマネージャー向けの既存の規則を踏まえたものだからだ。

仮想通貨に投資するファンドマネージャーは、少なくとも300万香港ドル(約4100万円)の資本を保有していなければならない。これは、SFCのタイプ9(資産管理)ライセンス向けの最低要件と同じ。独立したコンプライアンス・オフィサーの任命と、詳細なコンプライアンス手続きの立案も必要となる。

仮想通貨のファンドマネージャーは、第三者カストディアンを任命し、ファンドの資産とファンドマネージャーの資産は切り離しておかなければならない。法定通貨も、認可を受けた香港の金融機関、またはSFCが認めた法域に分けて保管しなければならない。

カストディアンを選出する際は、ファンドマネージャーはそのカストディアンがバーチャル・アセットの取り扱い能力を有し、ウォレットなど関連するコンセプトを理解していることを証明しなければならない。一定の要件を満たせば、SFCはセルフ・カストディを許可する。

取引については、SFCはファンドマネージャーに対して、いかなるバーチャル・アセット取引プラットフォームであっても、その利用の前に広範なデューディリジェンスを要求する。

翻訳:山口晶子
編集:増田隆幸
写真:Hong Kong currency image via Shutterstock
原文:Hong Kong Securities Watchdog Issues Rules on Funds Investing in Crypto