- アーカム・インテリジェンスによると、「米政府:ライアン・ファラーチェ押収資金」とタグ付けされたアドレスが22日に400万ドル相当のビットコインをコインベースに移動した。
- 潜在的な売り圧力は、ビットコインの24時間取引高の1%未満にすぎない。
ブロックチェーン分析会社アーカム・インテリジェンス(Arkham Intelligence)が追跡したデータによると、米政府は22日に約400万ドル(約6億2000万円、1ドル155円換算)相当の58.742BTCを暗号資産(仮想通貨)取引所コインベース(Coinbase)に移動させた。
この移動は、「米政府:ライアン・ファラーチェ押収資金(U.S. Government: Ryan Farace Seized Funds)」とタグ付けされ、オンチェーンでは3B2jEBZi8fJWGEDrh6Pe7hDMaJ6iGfFtaUとして識別されているアドレスから行われた。この資金は、ダークウェブでザナックスの錠剤を販売した罪で2018年に有罪判決を受けたライアン・ファラーチェ(Ryan Farace)氏から3年前に押収されたもの。
その後、ライアン氏の父ジョセフ・ファラーチェ(Joseph Farace)氏も、連邦没収の対象となる予定だったビットコイン収益の洗浄と密売で有罪判決を受けた。司法省は最終的に父子2人から2933BTCを回収し、今年1月に保有資産を清算する意向を発表した。
清算を目的としたものと思われる最新の資金移動により、ライアン・ファラーチェ氏の押収資金のアドレスは空になった。データソースのCoingeckoによると、ビットコインの24時間取引高350億ドル以上に占める割合は1%未満。
そのため、コインベースを通じた資金清算の可能性があることは、ドイツのザクセン州による最近の大規模なビットコイン売却のように現物価格に深刻な悪影響を及ぼす可能性は低い。
ザクセン州は6月19日から7月12日までの間に4万9858BTCを売却し、現物価格は一時5万3500ドルまで下落した。本記事執筆時点でビットコインは6万7450ドルで取引されている。しかし、アメリカ政府は依然として140億ドル以上の価値がある21万3000BTC以上を保有している。
|翻訳・編集:林理南
|画像:Shutterstock
|原文:U.S. Government Moves $4M Bitcoin to Coinbase, Arkham Data Show