ビットコイン・マイナーの企業価値は90%も安く見られている:バーンスタイン
  • バーンスタインによれば、ビットコインのマイナーは自身の管理する電力ポートフォリオに由来する成長余地を持つ。
  • 同社レポートは、積極的な電力戦略と効率化に注力するマイナーは企業価値の見直しに値すると説明。
  • 大手マイナーは引き続きビットコインの生産に注力しており、ライオットプラットフォーム、クリーンスパーク、アイリスエナジーは市場シェアを伸ばす最適な立ち位置にいると指摘。

ビットコイン(BTC)のマイナーは、自らの管理する電力ポートフォリオによって多大な成長可能性を秘めていると、ブローカーのバーンスタイン(Bernstein)が現地時間7月24日付のリサーチ・レポートで述べた。

「積極的な電力戦略に注力し、電力効率を追求することで、ビットコインのマイナーは自身の企業価値を見直させることにより説得性が増す」と、ゴータム・チュガニ(Gautam Chhugani)氏率いるアナリスト・チームは説明する。

単なるビットコインマイニング事業としてではなく、「データセンター機能を備えた効率的な電力シェル」としての企業評価を行うことで、投資家は利益を得られる、と同レポートは述べる。一般的なデータセンターに対する企業評価に比べ、マイニング企業は約90%のディスカウントを受けた状態で取引されているとの指摘だ。

コアサイエンティフィック(CORZ)がクラウドコンピューティング企業コアウィーブ(CoreWeave)との間で、12年間におよぶ人工知能(AI)に関する契約が締結されて以降、ビットコインマイニングのセクターはここ数カ月で再評価を受けている。AIとハイパフォーマンス・コンピューティング(HPC)のもたらす潜在的な機会と、ビットコインマイニングの舞台として代替できるような新しくて更に増加を見込めるユースケースとから生じる成長余地が、市場の値付けには織り込まれている。

市場シェアを伸ばすマイナー

大手マイナーは引き続きビットコインの生産量と各自のハッシュレートの拡大に注力しており、ライオットプラットフォーム(RIOT: Riot Platforms)、クリーンスパーク(CLSK: CleanSpark) 、アイリスエナジー(IREN: Iris Energy)は市場シェアを拡大するうえで最適な立ち位置にあると同レポートでは指摘された。

また、電力効率や稼働時間にも余裕があり、マイナーはハードウェアを最新世代のASICにアップグレードすることで、既存のポートフォリオからより多くのハッシュレートを引き出して利することができる、と同レポートでは述べられている。ハッシュレートとは計算能力の指標であり、業界における競争度合いとマイニングの難易度を示すのに用いられる指標だ。

バーンスタインのレポートによれば、アイリスエナジーとクリーンスパークは電力効率と稼働率において高評価を得ており、コアサイエンティフィックはデータセンターの稼働率で優位な立場にある。ライオットの効率は、大規模な電力サイトの稼働により改善されるはずであり、マラソンデジタル(MARA: Marathon Digital)の効率は自前の機器を用いるセルフマイニングのポートフォリオを構築することにより回復するはずである。

「マイニングシステムとソフトウェアにおけるカスタマイズとイノベーションにより、効率はさらに高まることができる」とレポートでは述べられた。

バーンスタインは、クリーンスパーク、コアサイエンティフィック、アイリスエナジー、ライオットプラットフォームをアウトパフォームと、マラソンデジタルをマーケットパフォームと評価している。

|翻訳・編集:T.Minamoto
|画像:Shutterstock
|原文:Bitcoin Miners Have Considerable Upside From Their Power Portfolios: Bernstein