FRB、9月利下げに予想以上の慎重姿勢を示す──政策金利は据え置き
  • FRBは予想通り政策を据え置いたが、政策声明は大方の予想以上にタカ派的だった。
  • 会合後の記者会見でジェローム・パウエル議長は、FRBは利下げの可能性がある地点に「近づいている」と示唆した。

米連邦準備制度理事会(FRB)は7月31日に予想通り、フェデラルファンド金利の誘導目標を5.25%~5.50%に据え置いた。しかし、やや意外なことに、FRBは9月の利下げが確実であるとはほとんど示唆しなかった。

政策声明では、「インフレは過去1年間で緩和したが、依然としてやや高い水準にある」とし、「経済見通しは不透明であり、(FOMCは)二つの使命の双方に対するリスクに注意を払っている」と表明された。

予想以上にタカ派的な声明の数分後、債券利回りとドルは若干上昇したが、どちらもこの日の低水準にとどまった。ビットコイン(BTC)の価格は6万6550ドルまで下落したが、過去24時間ではわずかに上昇した水準にある。米国株はこの日の大幅な上昇を継続し、ナスダックは2.4%、S&P 500は1.6%上昇した。

当時のインフレの急上昇に対処するため、FRBは2022年初頭に歴史的な引き締め政策を開始し、18か月足らずの間にフェデラルファンド金利を0%から5.25%~5.50%に引き上げた。FRBが緩和に慎重である一方でインフレ率が頑固に2%の目標を大きく上回り続けため、金利は1年以上その水準にとどまっている。

CMEのFedWatchによると、この日の会合前、市場は完全に9月中旬の会合までに少なくとも25ベーシスポイントの利下げが行われると予想していた。さらに先を見据えると、市場は12月中旬に開かれる2024年最後のFOMC会合までに75ベーシスポイントの利下げが行われる可能性を60%近く織り込んでいた。

会合後の記者会見で、FRBのジェローム・パウエル(Jerome Powell)議長は、最近のデータによりインフレが2%の目標に戻りつつあるという確信が高まったと述べた。また、9月については何の決定も行われていないが、利下げに「広い意味では近づいている」と述べた。

|翻訳・編集:林理南
|画像:AgnosticPreachersKid/Wikimedia
|原文:Fed Holds Policy Steady, Expresses More Caution Than Expected on September Rate Cut