テザーの上半期利益は52億ドル、米国債保有高はドイツを超える
  • ステーブルコインのUSDTを手がけるテザーは、2024年上半期の利益が52億ドルと発表した。
  • 米国債の保有高は976億ドルに達し、ドイツなどの国々を上回った。

ステーブルコインのテザー(USDT)を発行するテザー社(Tether)は7月31日、USDTの時価総額が過去最高値を更新したことを受け、2024年上半期の純利益が過去最高の52億ドル(約7750億円、1ドル149円換算)に達したと発表した。

第2四半期(4-6月期)の営業利益は13億ドル。その一部は「戦略的プロジェクト」に再投資された。

会計事務所BDO Italyが署名した最新の四半期証明書によると、同社のステーブルコイン発行部門であるTether International LimitedとTether Limitedは6月30日時点、1131億ドルの負債に対して、1184億ドルの準備資産を保有しているという。つまり、USDTを裏付ける準備金は、発行総額(時価総額)よりも53億ドル多い。

米国債の保有高は976億ドルに達し、これはドイツ、アラブ首長国連邦(UEA)、オーストラリアを上回り、世界で見ると18位にランクインする額と同社は述べた。

ビットコイン(BTC)マイニング、AI(人工知能)など、ステーブルコインとは別の成長分野への投資などを目的に設立されたTether Investmentsの純資産価値は、証明書によると62億ドルにのぼる。

USDTは、暗号資産取引におけるインフラともいえる存在で、米ドルへのアクセス手段として、新興国でますます需要が高まっている。CoinGeckoによると、時価総額は1140億ドルで、年初の910億ドルから増加している。

USDTは、準備金にまつわる不透明性を長年にわたって指摘されている。USDTの準備金の一部を運用している米投資銀行、カントール・フィッツジェラルド(Cantor Fitzgerald)の会長兼CEO、ハワード・ルトニック(Howard Lutnick)氏は、テザー社は発行したステーブルコインを裏付ける準備金を確かに保有していると述べている。

|翻訳・編集:CoinDesk JAPAN編集部
|画像:USDTの時価総額(CoinGecko)
|原文:Tether Nets $5B Profits This Year, Says Its US Debt Holdings Surpassed Germany’s