- 世界的な資産の売却が3日目に入った8月2日のアジア時間午前中、ビットコインは6万2500ドル付近まで下落したが、その後、反発した。
- 反発したにもかかわらず、BTCは依然として圧力下にあり、トレーダーにとって重要なテクニカルサポートレベルである50日移動平均付近で取引されている。
ビットコイン(BTC)は、中東の地政学的緊張によって悪化した世界資産全般の売りが3日目に入る中、8月2日のアジア時間午前に下落から反転した。
1日のアメリカ時間後場には、BTCは6万2500ドルまで下落したが、その後は損失を回復し、協定世界時(UTC)午前6時半には6万4000ドル弱で取引され、50日間の移動平均付近で取引された。この50日間の移動平均は、一部のトレーダーにとっては依然として戦術的なサポートラインとなっている。
「下落がさらに進む場合、50日および200日の移動平均線付近にある6万3000ドルと6万1000ドルの水準の動向が重要になるだろう」と、FxProのシニアマーケットアナリスト、アレックス・カプチケヴィッチ(Alex Kuptsikevich)氏は電子メールでコインデスクに語った。「このサポートラインが破られると、5万5000ドルへの道が開かれることになる。それは非常に恐ろしいことだ」。
「8月はビットコインにとって最悪の2カ月間のうちの1つと考えられている。過去13年間で、ビットコインは5回しか上昇して月を終えておらず、8回は下落した。平均下落率は15.4%、平均上昇率は26%だ」と彼は付け加えた。
世界的な株式市場の低迷の中、暗号資産(仮想通貨)の主要銘柄は過去24時間で下落した。イーサリアム(ETH)は過去24時間で1.6%下落し、主要トークンのエックス・アール・ピー(XRP)とソラナ(SOL)は8%も下落した。ステーブルコインを除く時価総額が大きいトークンを追跡し、より広範囲な流動性を示すCoinDesk20指数(CD20)は2.44%下落した。
市場のデータによると、このBTCの売りは、ビットコイン現物ETF(上場投資信託)の一部にも影響を与えた。
アメリカで上場されているビットコイン現物ETFは1日で合計5060万ドル(約76億円、1ドル=150円換算)の純流入があった一方で、グレイスケール(GrayScale)のGBTC、フィデリティ(Fidelity)のFBTC、アーク(Ark Invest)のARKB、ビットワイズ(Bitwise)のBITB、ヴァンエク(VanEck)のHODLは流出を記録した。
一方、イーサリアム現物ETFは、多くのETFが資金流入ゼロを記録したものの、全体では2675万ドル(約55億1250億円)の資金流入を記録した。
テクノロジー関連銘柄の比重が高いナスダック100種指数は2.6%の下落で8月1日を終え、S&P 500種指数も1.4%下落し、アメリカ経済とテクノロジー企業の今後の収益に対する懸念から、7月31日の1.6%の利益のほぼすべてを失った。
また、日本の東証株価指数(TOPIX)は2日に6%下落し、2016年以来最大の落ち込みを記録した。
Presto Researchは、CoinDeskと共有したメモの中で、マイクロストラテジー(Microstrategy)の第2四半期の目立ったパフォーマンスについて、「インテリジェントなレバレッジ」による1株当たり3.7%のBTC増加、BTC購入のための20億ドル(約3000億円)の株式発行計画、そして2025年第1四半期までにBTCの公正価値会計の採用を挙げ、より広範なBTC市場に恩恵をもたらすだろうと強調した。
CoinDesk Indicesのデータによると、年初来ではマイクロストラテジーが118%上昇しているのに対し、BTCは45%の上昇だった。
|翻訳:CoinDesk JAPAN
|編集:井上俊彦
|画像:Shutterstock
|原文:Bitcoin Traders Eye $55K Amid U.S. Stocks Sell-off, XRP Leads Losses in Major Cryptos