暗号資産(仮想通貨)市場は5日、わずかに反発。ビットコイン(BTC)は4万9000ドル付近まで下落した後、米取引時間中に一時5万5000ドルまで上昇した。
当記事執筆時点、ビットコインは5万3000ドル付近、過去24時間で10%下落している(日本時間6日6時30分頃には、5万4800ドル付近、24時間で7%下落)。広範な市場のベンチマークであるCoinDesk 20 Index(CD20)も同様の反発を見せたが、それでも24時間で13%下落している。
大手暗号資産取引会社による売却で、より大きく下落したイーサリアム(ETH)も同様に反発しているが、24時間で13%下落。
反発は、米国株式市場が早朝の急落から一部回復した際に起きた。ナスダックは取引終了直前に6%超の下落から、3.6%の下落まで回復した。
猛烈だが典型的なドローダウン
ビットコインが7万ドル付近で取引されていたのはわずか1週間前。トレーダーはトランプ大統領誕生の可能性に有頂天になり、同氏がビットコインを米国の戦略的準備金にすることを期待していた。その後、価格は最高値から30%下落、今回のサイクルで最も大きな下落となった。
この動きはきわめて厳しく感じられるが、ドローダウン(最高値からの下落率)の大きさはこれまでの強気相場と比べると典型的なものだったとギャラクシーのリサーチ責任者、アレックス・ソーン(Alex Thorn)は5日、記している。
デジタル資産ベンチャー企業Syncracy Capitalの共同創設者ダニエル・チャン(Daniel Cheung)氏は、ドローダウンの急速なペースは2020年の新型コロナウイルス感染拡大をきっかけとした暴落を思い出させたと述べた。2020年3月中旬、ビットコインは6日間で57%も急落した。
「現時点での売りのほとんどが強制的なもので、完全なパニックであることを考えると、暗号資産は比較的早く回復するだろう」とチャン氏。
「皮肉なことに、より大きな強気相場への水門が開かれた」
資産運用会社ビットワイズ(Bitwise)のマット・ホーガン(Matt Hougan)CEOも、週末の暴落を2020年3月になぞらえた。
「回復しないかもしれないと感じた。メディアはビットコインがヘッジ資産としてのテストに失敗したと書き立てた」とホーガン氏は述べた。
「感情はさておき、歴史は週末の下落が買いのチャンスであることを示している」
現在の状況は長期投資を始めるには適しているかもしれないが、短期的リスクはまだ残っている。10x Researchの創設者マーカス・ティーレン(Markus Thielen)氏は、現在の景気低迷がさらに悪化して景気後退(リセッション)に陥った場合、ビットコインは4万2000ドルまで下落する可能性があると述べている。
|翻訳・編集:CoinDesk JAPAN編集部
|画像:CoinDesk
|原文:Bitcoin Bounces to $53K After Brutal Sell-Off Reminiscent of Covid Crash