- ビットコインはアジア取引時間に一時6万1000ドルを超え、CoinDesk20指数を上回った。
- トレーダーは、テレグラムとの統合とGameFiエコシステムの成長を理由に、TONへの強気を維持している。
ビットコイン(BTC)は8月14日のアジア取引時間初期に6万1000ドルを超えて主要トークンの上昇をリードし、今月初めの価格急落からの損失を挽回した。
CoinGeckoのデータによると、ビットコインは3%以上上昇し、イーサリアム(ETH)、ソラナ(SOL)、カルダノ(ADA)、エックス・アール・ピー(XRP)、バイナンスコイン(BNB)といった主要コインは最大2.8%上昇した。主要なミームコインであるドージコイン(DOGE)と柴犬コイン(SHIB)はわずか1%の上昇にとどまり、市場センチメントがよりリスクの高いベットを好まなかったことを示唆している。
ビットコインの上昇は、CoinDesk20指数(CD20)の2.45%上昇を上回った。
小幅ながら上昇したにもかかわらず、一部のトレーディング・ファンドは、さまざまなデータがもたらされる週にあって慎重な姿勢を崩しておらず、継続的な上昇を妨げる可能性のある短期的な動揺を警告している。
暗号資産(仮想通貨)取引会社QCPキャピタル(QCP Capital)はテレグラムのブロードキャストで、「投資家は今週のアメリカ消費者物価指数(CPI)発表を前に慎重な姿勢を崩していない」と述べた。「アメリカ連邦準備制度理事会(FRB)が9月に金利を0.25%下げるのか、0.5%下げるのかを見極めるため、インフレ率を注視するだろう。現在、予想は2つに分かれている」。
14日の回復は、人気の円キャリートレードが巻き戻され、8月初めに市場全体が20%下落した後、損失を抱えたトレーダーが利益を上げるのに役立った。一部のストラテジストは、キャリートレードの影響は完全に終わっていないとし、さらなる損失を警告している。
今週初めのCNBCのインタビューで、トロント・ドミニオン(TD)証券のグローバル戦略責任者であるリチャード・ケリー(Richard Kelly)氏は、キャリートレードの解消が終了したことを宣言するのは「ためらわれる」と語った。
「そのようなシナリオには賛成できない」とケリー氏はCNBCのインタビューで述べ、「我々が知る限り、キャリートレードによる価格を決定できる実際のデータはない。特に円がいかに過小評価されているかを考えると、まだ巻き戻される余地はあると思う」と付け加えた。
「それが今後1、2年のバリュエーションを変える。その影響は波及効果を生むだろう」と彼は延べた。
日本銀行は最近、10年以上ぶりに金利を引き上げ、世界市場とビットコインを含むリスク資産を不安定化させた。金利が低いとき、トレーダーは円を安く借りて、より高い収益率をもたらす別の資産に投資した。
金利の上昇は取引戦略の収益性に影響を与え、ほぼすべての市場に波及効果をもたらした。BTCは24時間で15%下落し、ここ数年で最大級の下げ幅となった。
8月初め、日銀の副総裁は、市場が不安定な中、中央銀行は利上げを回避すると発言し、円キャリートレードやリスク資産に影響を与えた。
日銀の元幹部はその後、日銀は追加利上げを来年に先送りするだろうと述べており、短期的には市場の安定を優先することを示唆している。
ビットコインはさておき、トレーダーはTONに対して引き続き強気だ。
CoinDesk Indicesのデータによると、トンコイン(TON)は14日のアジア取引時間に7%上昇した。このエコシステムの関係者は、同トークンが成長を続けている理由として、プラットフォーム上でのGameFiの成長と、テレグラム(Telegram)との緊密な統合を指摘している。
「TONゲームのプレイヤー数は、テレグラムでのバイラルな社会的成長によって、以前のブロックチェーンゲームのガラスの天井を突き破った。また、いくつかのTONゲームは、トークンの販売ではなく、ゲームのプレイそのものから大きな収益を得ていることが確認されている」と、トン財団(TON Foundation)のアジア太平洋地域担当責任者であるジョン・チェン(John Cheang)氏は、電子メールのインタビューで述べている。
CatizenのようなTONエコシステムのプロジェクトに投資しているHashKey Globalのマネージング・ディレクター、ベン・エルバズ(Ben El-Baz)氏は、テレグラムの優位性を活用することで「より多くの開発者を引き付けることが、TONにとって大きなチャンスになる」と電子メールのコメントで付け加えた。
|翻訳:CoinDesk JAPAN
|編集:井上俊彦
|画像:CoinDesk Indices
|原文:Bitcoin Crosses $61K as Traders Remain Cautious Ahead of U.S. CPI, Further Unwinding of Yen Carry Trade