スティーブン・ムニューシン(Steven Mnuchin)米財務長官は、フェイスブック(Facebook)の仮想通貨リブラ(Libra)の支持者が、このステーブルコインプロジェクトが規制基準に達しないことを懸念してプロジェクトから脱退したのだと述べた。
ムニューシン氏はCNBCに対し、リブラが金融犯罪取締ネットワーク(FinCEN)による米国のマネーロンダリング(資金洗浄)基準に達しない場合、強制措置が取られる可能性があると語った。
「彼らは準備が整っておらず、基準に達していないことを認識していると思う」とムニューシン氏は述べる。「パートナーの一部は懸念を募らせ、こうした基準を満たすまで脱退することにしたのだろう」
ムニューシン氏は、リブラの代表者と複数回面談を行い、ステーブルコインの規制適用についての自身の立場を繰り返し述べたという。
リブラを支持していた主要6社、ビザ(Visa)、マスターカード(Mastercard)、ストライプ(Stripe)、イーベイ(eBay)、メルカドパゴ(Mercado Pago)、ペイパル(PayPal)は 新仮想通貨の運営を目的とした非営利組織のリブラ協会(Libra Association)から脱退した。
ビザの広報担当者は2019年10月11日(現地時間)、CoinDeskに次のように述べている。
「我々は今後も注視を続け、同協会が規制上の要求を完全に満足するに足るか等の多くの要素を勘案して最終的な決断を下すことになるでしょう」
この脱退はグローバルなステーブルコインに関する主要7か国(G7)の作業部会のレポート草稿を受けたもので、同作業部会は、規制上の問題のため、リブラなどのプロジェクトは国際的な金融の安定に対する潜在的脅威であると評価した。
同作業部会は金融安定理事会(FSB)とともに、データの機密性/保護、アンチマネーロンダリング(AML)/テロリストへの資金供与防止(CFT)/顧客確認の順守、脱税、公正競争、市場の完全性など、ステーブルコインを巡るさまざまな問題を提起した。
翻訳:Emi Nishida
編集:T.Minamoto
写真:U.S. Treasury Secretary Steven Mnuchin image via CoinDesk Archive
原文:US Treasury Secretary: Regulatory Fears Forced Libra Exodus