10億ドルのUSDT引き出しで、ビットコインは下落に転じる可能性: IntoTheBlock
  • ビットコイン(BTC)は、今年3月と5月にテザー(USDT)の取引所からの流出額が10億ドル(約1470億円、1ドル147円換算)を突破すると、すぐに下落トレンドに入っており、「投資家がリスクオフのスタンスを取っている可能性を示唆している」と、 IntoTheBlockは述べている。
  • 現在のビットコインの値動きは、8月に下落した後、2カ月間横ばいとなった昨年と「不気味なほど似ている」と、あるアナリストは指摘した。

ビットコインは8月5日の暴落で5万ドルを割り込んだ後、6万ドル超まで反発し、先週の混乱から回復した。しかし少なくとも、最近の局地的なピークを予感させたある指標に基づくと、これ以上の上昇は望めないかもしれない。

暗号資産分析会社のIntoTheBlockは、10億ドル以上のステーブルコインUSDTが8月14日、暗号資産取引所から引き出されたことを指摘した。これは5月以来、1日としては最大の引き出し額である。

IntoTheBlockのアナリストは、「10億ドルを超える引き出しがあった最近のケースでは、ビットコインは直後に下落トレンドに転じており、投資家がリスクオフのスタンスを取り、市場のボラティリティを見越してコールドウォレットのような安全な環境に資金を移動させている可能性を示唆している」と述べた。

しかし、このデータの解釈は難しい面がある。取引所へのステーブルコインの預け入れは、暗号資産を購入するための新たな資金が流入したことを示すポジティブな指標だが、引き出しは、ユーザーが利回りを得るために分散型金融(DeFi)に資金を移動させている可能性があるため、必ずしもネガティブではない。

注目すべきは、DeFiプールでUSDT流動性を提供するための利回りが低下傾向にあることをDefiLlamaのデータが示していることだ。

昨日、10億ドル以上のUSDTが取引所から引き出され、5月以来最大のテザーの流出となった。

預け入れはユーザーが資産を買うために準備していることを示し、しばしば強気と見なされるが、引き出しはより微妙な解釈が可能である。

例えば、ユーザーは…

ビットコインは、14日発表の米CPI(消費者物価指数)によって9月の利下げ期待が高まったにもかかわらず、米国取引時間中に5万9000ドルまで下落し、前日の6万1000ドルを超える上昇を完全に帳消しにした。

季節的なトレンドも、暗号資産価格の上昇を支持するものではない。CoinGlassがまとめたデータによると、ビットコインの歴史上、8月と9月は月間リターンがマイナスになることがほとんどだった。

フォロワー数の多い暗号資産アナリストのマイルズ・ドイチャー(Miles Deutscher)氏は、ビットコインの現在の値動きは昨年の動きに似ていると指摘した。

当時、ビットコインは8月の大規模なレバレッジ急減で、レンジの最高値である3万ドルから2万4000ドルまで急落し、10月に上昇を開始するまでの2カ月間、ほぼ横ばいで取引された。

「個人投資家の関心は急速に失われつつある。既存の市場参加者の無関心、明確なストーリーの欠如。昨年の8月から10月と不気味なほど似ている」と、ドイチャー氏は語った。

昨年の8月から10月と不気味なほど似ている。

  • 個人投資家の関心は急速に薄れている(YoutTubeの閲覧数はこの1週間で激減)
  • 既存の市場参加者の無関心
  • 明確なストーリーの欠如

(そして#ビットコインの値動きも同じように見える)

|翻訳・編集:山口晶子
|画像:8月14日のBTCの値動き(CoinDesk)
|原文:Bitcoin Price May Turn Lower as Crypto Exchanges See $1B USDT Withdrawal: IntoTheBlock