- ビットコインはアジア取引時間に6万1000ドル以上で取引された。ポリマーケットの参加者は、週の残りの期間の価格安定を予測している。
- トレーダーは8月23日のジェローム・パウエルFRB議長の発言に注目し、価格の行方を探っている。
ビットコイン(BTC)は8月20日に一時6万1000ドルを超え、この暗号資産(仮想通貨)を保有するアメリカのETF(上場投資信託)は今月2番目に高い資金流入を記録した。
SoSoValueのデータによると、ビットコイン現物ETFは6100万ドル(約88億4500万円、1ドル=145円換算)超の純流入を記録し、8月8日の1億9200万ドル(約278億4000万円)以来の高水準となった。ブラックロック(BlackRock)のIBITが9200万ドル(約133億4999万円)の資金流入でリードし、ビットワイズ(Bitwise)のBITBは2500万ドル(約36億2500万円)の資金流出を記録した。
日本のメタプラネットも約5億円相当のビットコイン購入を完了したと発表し、ビットコインの保有量は360.368BTCとなった。
主要トークンも追随し、エックス・アール・ピー(XRP)とバイナンスコイン(BNB)は7%以上、ソラナ(SOL)とカルダノ(ADA)は4%上昇した。トンコイン(TON)は過去24時間で0.8%下落した。より幅広い暗号資産のパフォーマンスを示すCoinDesk20指数(CD20)は4.25%上昇した。
分散型予測市場ポリマーケット(Polymarket)の参加者は今週の価格の安定を予測しており、市場はBTCが週末まで6万ドル以上を維持する確率を66%としている。
ドージコイン(DOGE)はイーロン・マスク(Elon Musk)氏がトークンに言及したAI生成画像をXに投稿する中、5%急騰した。マスク氏がトークンについて投稿すると、歴史的にこのトークンは動く傾向がある。しかし、価格の急騰は通常、短期間で終わる。
PoliFiトークンもトレーダーが興味を失ったようで横ばいだった。CoinGeckoのデータによると、ドナルド・トランプ(Donald Trump)氏をテーマにしたMAGAトークンは0.3%下落し、取引高は250万ドル(約3億6250万円)となっている。一方、ポリマーケットでは大統領選のベッティング契約が6億5000万ドル(約942億5000万円)に迫る勢いで、カマラ・ハリス(Kamala Harris)氏がドナルド・トランプ氏を50%対49%でリードしている。
8月20日現在では、市場の触媒となるものはほとんどないが、一部のトレーダーは、ジャクソンホール・シンポジウムでのジェローム・パウエル(Jerome Powell)連邦準備制度理事会(FRB)議長の講演が予定されている23日が近づくにつれて市場が動くのではないかと期待している。
「今週の市場予想は、金融政策が議論されるジャクソンホール・シンポジウムを中心に組み立てられている」とアブラ・プライム(Abra Prime)は電子メールによる市場メモで述べた。「ビットコイン現物ETFと株式市場との相関性に注目している」。
「ジャクソンホール前は平坦な価格変動が予想され、BTCは5万6000ドルから6万2000ドルのレンジで推移し、取引高が最も多いのは5万8000ドルから6万ドルあたりだろう」とアブラ・プライムは述べている。
ブルームバーグ(Bloomberg)によると、パウエル議長は9月、金利引き下げへの転換を行うと予想されており、この措置は、借入コストの低下がリスクの高いセクターの成長を加速させるため、歴史的にトレーダーの間で強気の感情を後押ししてきた。しかし、ビットコインETFのオプションの申請を撤回するという決定に対して、一部の人々の間では短期的な弱気のセンチメントが残っている。
SOFA.orgのインサイト責任者、オーガスティン・ファン(Augustine Fan)氏はテレグラムのメッセージで、「NYSEとNASDAQの両方が、過去72時間の間にビットコインETFオプションの上場申請を取り下げた。このことは少なくとも短期的には、より広いメインストリームへの採用にさらなる逆風を加えている」と述べた。「伝統的金融は、ステーキングに合法性についての明確さが欠如していることから、イーサリアム現物ETHの購入に引き続き慎重だ」とファン氏は付け加え、過去1週間のイーサリアム(ETH)がビットコインと比較してパフォーマンスが低かったことに言及した。
|翻訳:CoinDesk JAPAN
|編集:井上俊彦
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|原文:Bitcoin Pops Over $61K, XRP Leads Gains Among Majors