- 最大規模のステーブルコインはすべて米ドルにペッグされている。一方、他の法定通貨と連動しているものは比較的小規模に留まっている。
- アラブ首長国連邦(UAE)の通貨ディルハムと連動したステーブルコインを中央銀行が認可する取り組みは、特に暗号資産ハブとしてのドバイとアブダビの評判を考えると、普及を後押しする可能性がある。
時価総額で世界最大のステーブルコインを発行するテザー(Tether)社は、アブダビで上場している暗号資産コングロマリット、フェニックス・グループ(Phoenix Group)と共同で、UAEの法定通貨ディルハムに連動したステーブルコインを導入する計画を発表した。
ステーブルコインは、多くの場合、法定通貨にペッグされたデジタル資産の一形態で、ビットコイン(BTC)のような暗号資産のボラティリティに対するヘッジをユーザーに提供する。
主要ステーブルコインはすべて米ドルにペッグされており、中でもテザー社のUSDTは時価総額1170億ドル(約17兆円、1ドル145円換算)超えで最大規模を誇っている。CoinGeckoのデータによると、USDTはステーブルコイン市場の約70%のシェアを占めている。
他の法定通貨にペッグされたトークンは、それに比べれば微々たるものだ。例えば、テザーのユーロ連動型ステーブルコイン(EURT)の時価総額はわずか3000万ドルに留まっている。
8月21日の発表によると、テザー社は、6月に発表されたUAE中央銀行の決済トークンサービス規制の下で、ディルハム連動型ステーブルコインのライセンスを取得する予定だ。ドバイとアブダビの暗号資産(仮想通貨)ハブとしての評判を考えると、この取り組みは普及を後押しする可能性がある。
|翻訳・編集:山口晶子
|画像:Pixelline studios/Pixabay
|原文:Tether Plans to Develop UAE Dirham-Pegged Stablecoin Alongside Phoenix Group