ミームコインブームがトロンにも──SunPumpの収益は100万ドル超え
  • SunPumpは、ユーザーがミームコインを簡単に作成・取引できるようにすることで、2週間足らずで100万ドル以上(約1億4600万円、1ドル146円換算)を生み出した。24時間で7300以上のトークンが作成され、かなりの収益を上げている。
  • SUNWUKONGやSUNDOGのようなミームコインの初期投資家は、1000ドルを40万ドルに変えるなど、巨額のリターンを得ている。
  • ミームコインの人気は、基盤となるトロン(Tron)ネットワークの記録的な収益にもつながり、収益は2日間で348万ドル超え。ネイティブトークンのトロン(TRX)と関連資産の価格にもプラスの影響を与えた。

ゴールドラッシュの時代、商人たちはシャベルを売ることで財を成したが、暗号資産(仮想通貨)市場は現在、そのような行動の片鱗を見ている。

新たにリリースされたSunPump.memeは、トロンネットワーク上のミームコインジェネレーターで、トロンの生みの親ジャスティン・サン(Justin Sun)氏の支援を受けている。そのSunPumpが、2週間弱で100万ドル以上の収益を上げた。

このアプリケーションを使えば、ユーザーは簡単にミームコインを発行し、暗号資産取引所で行うのと同じように取引することができる。このプラットフォームは、主にソラナ(Sonala)エコシステムを中心に暗号資産トレーダーの間で盛り上がっているミームコインブームを利用したものだ。

Pump.Funを凌ぐ盛り上がり

SunPumpは、ソラナの大ヒットアプリケーションPump.Funとコンセプトが似ている。両者とも、ユーザーは画像を選択し、トークンの数、テーマを選び、数ドルの資本で新しいトークンを発行することができる。

発行されたトークンは、Pump.Funでは6万ドル、SunPumpでは6万9420ドルの時価総額に達すると、分散型取引所に自動的に上場される。

SunPumpは急速に支持を集めている。デューン・アナリティクス(Dune Analytics)が追跡したデータによると、過去24時間にSunPumpで7300以上のトークンが作成され、58万5000ドルの収益が生み出された。一方、Pump.Funでは6700の新規トークン発行が記録され、同じ24時間以内で36万6000ドルの収益を上げている。

ジャスティン・サン氏のSunPumpは、発行されたトークンと24時間の手数料の両方でPump.Funを上回って1日を終える。

SunPumpでローンチされたいくつかのミームコインは、初期の購入者に大きな利益をもたらした。

オンチェーン分析ツール、アーカム(Arkham)が追跡したあるアドレス 「TDm2 」によると、その所有者は、新しくリリースされた中国のビデオゲーム 「Black Myth: Wukong 」にちなんだトークン「SUNWUKONG」を購入し、1000ドルを40万ドルに変えた。

別のトレーダーは、1690ドルで購入したSUNDOGを6日間で2000万ドル以上に変えた。彼らは7つのアドレスで1950万ドル相当のSUNDOGを保有しており、すでに100万ドルを取引所に送ったと、アーカムは指摘した。

このトレーダーは6日間で1690ドルのSUNDOGを2000万ドルに変えた。

TT4S5は最も早くSUNDOGを購入したトレーダーの1人で、1690ドルで1億433万トークンを購入した。

彼らは現在7つのアドレスで1952万ドル相当のSUNDOGを保有しており、また108万ドル相当のSUNDOGを取引所に送り、合計2060万ドルの利益を得ている。

SunPumpの人気は、その将来についてのサン氏の強気な投稿にも後押しされている。

「まだ始まったばかりだ。我々は、業界のすべてのミーム開発者とユーザーにサービスを提供するために最善を尽くしている」と、サン氏は8月22日にXに投稿。

前日には、「まだ始まったばかりだ。計算してみて欲しい。600億ドル以上の流動性で、どれだけの市場ができるのか?トロンミームの時価総額は、まだ2億ドルにも満たない。太陽へ届くほどの勢いだ」と述べていた。

SunPumpの取引手数料は22日、より多くの利用を促すため、以前の取引ごとに1%の手数料から、一律0.76TRX(1セント相当)に引き下げられた。

SumPumの取引手数料は、1取引あたり0.76TRX、平均0.118ドルに引き下げられた。非常に競争力のある手数料だ!盛り上がっていこう!

トロンにも好影響

このようなSunPumpの人気は、その基盤となるネットワークとTRXトークンをも押し上げている。DefiLlamaが追跡したデータによると、トロンは過去2日間にそれぞれ、史上最高記録となる348万ドルの収益を上げた。ネットワークが2018年5月にローンチされて以来、1日で200万ドル以上を稼いだのは初めてのことだ。

一方、暗号資産トロンの価格は過去1週間で20%以上急騰し、流動性の高いCoinDesk 20(CD20)インデックスが追跡するビットコインや主要トークンの上昇率(4%強)を上回っている。

CoinGeckoのデータによると、BTT、SUN、JSTといったトロン創設者のジャスティン・サン氏と関係の深い他のトロン基盤の資産も同様に急上昇しており、過去1週間で15%も上昇している。

このような上昇はまだ始まったばかりだ。サン氏は22日に、「ミーム戦略」によってトロンブロックチェーンの収益は今後12カ月で40億ドルを超える可能性があり、これはステーカーへの報酬や取引補助金として少なくとも20億ドルが提供されることを意味し、トロンのファンダメンタルズを押し上げると述べた。

|翻訳・編集:山口晶子
|画像:トロン創設者ジャスティン・サン氏(Tron Foundation)
|原文:Memecoin Frenzy Reaches Tron as Justin Sun-Backed SunPump Rakes in Big Bucks