- 香港の規制当局は現地調査を実施した結果、同地域におけるフル・ライセンス取得を申請中の暗号資産取引所の一部で「不適切な実態」を発見した。
- この結果、正式ライセンスを申請した11社に交付された暫定ライセンスの一部が取り消されれば、香港が暗号資産の世界的な拠点となることを目指す取り組みに支障が出る可能性がある。
香港証券先物委員会(SFC)は、現地調査を実施した結果、フル・ライセンスの取得を申請している暗号資産(仮想通貨)取引所の「一部」で「不適切な実態」を発見したと、ブルームバーグ(Bloomberg)が事情に詳しい関係者の話として現地時間8月22日に報じた。
「一部の暗号資産企業は、顧客資産の保管を監督するために少数の幹部に過度に依存しており、他の企業においてもサイバー犯罪のリスクに対して適切な対策を講じていない」と報告書は指摘している。
SFCの広報担当者は、いくつかの検査を実施したものの、検査はまだ継続中で変更される可能性があり、個別のケースについてはコメントしないとブルームバーグに対して語った。
広報担当者は、「現地調査で特定された重大な欠陥」を改善できないプラットフォームについては、SFCはみなし認可ステータスを取り消すか、認可申請を拒否することを選択する可能性があると付け加えた。
SFCはブルームバーグに対して、それ以上の詳細を伝えることを差し控えている。
具体的な企業名は不明
SFCは、どの事業体に「重大な欠陥」があったかを明らかにしていない。ブルームバーグの報道によると、Crypto.com、HKbitEX、PantherTrade、Bullishなど11の事業体がSFCに対してフル・ライセンスを申請しているという。
上記の企業はCoinDeskによるコメントの求めに即時に回答することはなかった。なお、BullishはCoinDeskの所有企業である。
5月下旬、SFCはライセンス申請の継続に関心のある暗号資産取引プラットフォームに対して、こうした現地調査を実施すると発表した。その後、OKXやByBitを含む12の企業が申請を取り下げている。香港でフル・ライセンスを取得している取引所はOSLとHashKeyの2つだけだ。
この展開は、今年スポット暗号資産商品の承認を行った香港が、暗号資産の世界的なハブとなることを目指す取り組みに、支障をきたす可能性がある。
|翻訳・編集:T.Minamoto
|画像:Shutterstock
|原文:Hong Kong Regulator Finds ‘Unsatisfactory Practices’ at Some Crypto Entities Seeking Full License: Report