- ビットコイン現物ETFは、ジャクソンホール講演のコメントを受けたポジティブな市場センチメントを追い風に、2億5200万ドルを超える純流入と31億2000万ドルを超える取引高を記録し、活況を呈した。
- ブラックロックのIBITとフィデリティのFBTCが資金流入をリードし、グレイスケールのGBTCは資金流出を経験した。
- アメリカ連邦準備制度理事会のパウエル議長がジャクソンホールで金融緩和を示唆したことで、ビットコイン価格は一時6万4000ドルを超える急騰となり、9月17日に開催される次回FOMCでの利下げの可能性に期待が集まった。
アメリカのビットコイン(BTC)現物ETF(上場投資信託)は8月23日、ジャクソンホールでの好意的なコメントがビットコインを含むリスク資産を後押ししたこともあり、7月23日以来の高水準となる1日2億5200万ドル(約365億円、1ドル=145円換算)超の資金流入を記録した。
SoSoValueのデータによると、ETF11銘柄の売買高は31億2000万ドル(約4524億円)を超え、7月19日以来の高水準となった。ブラックロック(BlackRock)のIBITは、取引高が12億ドル(約1740億円)、資金流入が8300万ドル(約120億円)で、それぞれトップだった。
続いてフィデリティ(Fidelity)のFBTCが6400万ドル(約92億8000万円)の資金流入を記録し、ビットワイズ(Bitwise)のBITBは4200万ドル(約61億円)の資金流入で初めて運用資産残高(AUM)が20億ドル(約2900億円)の大台を超えた。グレイスケール(Grayscale)のGBTCは3500万ドル(約50億7500万円)の資金流出となった。しかし、同社のミニ・ビットコイン・ファンド(BTC)は5000万ドル(約72億5000万円)の資金流入で黒字だった。
アメリカ連邦準備制度理事会(FRB)のジェローム・パウエル(Jerome Powell)議長は、23日のジャクソンホールでの講演で金融政策を緩和する兆しを認め、ビットコインはその後6万4000ドルを超えて上昇した。
「政策を調整する時が来た」とパウエル議長は演説で述べた。「進むべき方向は明確であり、利下げのタイミングとペースは、入ってくるデータ、変化する見通し、リスクのバランスに依存する」。
暗号資産(仮想通貨)トレーダーは、FRBが9月17日に予定されている次回の政策決定会合で初の利下げを実施すると予想している。
金融引き締め政策は通常、金融市場のリスク選好度を低下させる一方、金利低下は投資家の資本プールへのアクセスを安価にするため、暗号資産のような資産クラスの魅力を高める。
|翻訳:CoinDesk JAPAN
|編集:井上俊彦
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|原文:Bitcoin ETFs Log $250M Net Inflows, Highest Since July, After Rate Cut Signal at Jackson Hole