ビットコイン、6万ドル割れ──長引く調整のなか、トレーダーは上昇の可能性に注目
  • ビットコイン(BTC)は24時間で3%下落、アルトコインの下落は、イーサリアム(ETH)、アバランチ(AVAX)、チェーンリンク(LINK)、ユニスワップ(UNI)が主導した。
  • ビットコインの週足ボリンジャーバンドは、昨年10月をはじめ、他の大きな上昇前に見られたのと同様のレベルまで圧縮されていると暗号資産トレーダーのCryptoConは指摘した。
  • アルトコイン投資家は今後さらに苦境に直面するだろうが、第4四半期(10-12月期)と2025年はより上昇する可能性がある。


ビットコインは米国時間27日午前中に6万2000ドルを割り、8月初めの安値からの反発が止まった(日本時間28日7時20分には5万8800ドル付近まで下落している)。

当記事執筆時点、ビットコインは6万1500ドルまで下落し、当記事執筆時点ではパウエルFRB(米連邦準備制度理事会)議長が23日にジャクソンホールでハト派的な演説を行った後に6万5000ドルまで上昇して以来、5%超下落している。過去24時間では3%下落。

下落は、市場全体に広がり、幅広い銘柄で構成されるCoinDesk 20 Indexは24時間で2.8%下落。イーサリアムはビットコインに対して下げ続け、5%超下落して、2600ドルを割り、ETH/BTCレシオは3年以上で最低水準となっている。

アルトコインの主要銘柄も下落し、アバランチ、チェーンリンク、ユニスワップは4%~7%下落した。

(CoinDesk Market Indexの全セクターが下落、暗号資産価格の全般的な弱さを示している(CoinDesk)

今後のボラティリティ

3月に史上最高値を記録して以来、ビットコインの横ばい推移は投資家の忍耐力を試している。だが同様の数カ月にわたる調整局面は、昨年3月から10月までの動きをはじめ、過去すべての強気相場で起きている。

人気暗号資産トレーダーのCryptoConは、ボリンジャーバンド幅の分析を週足で見たところ、現在のビットコインの低ボラティリティ局面は、新たな史上最高値への上昇局面の前兆である可能性が高いと指摘した。

ボリンジャーバンドは、著名な市場テクニカルアナリストのジョン・ボリンジャー(John Bollinger)氏にちなんで名付けられたもので、資産のボラティリティを表し、価格の20週単純移動平均値の上方および下方に2つの標準偏差を置く。

「これは、週足ボリンジャーバンド幅の全サイクルの中間期に訪れている、3度目で最後の低ボラティリティ期だ」とCryptoConはXに投稿した。

「5カ月にわたる横ばい推移は目新しいものではない…」「2025年を逃すことは、2021年、2017年、2013年を逃すことに等しい」

注目すべきは、ボリンジャーバンド幅が同様に圧縮されたのは昨年10月で、ビットコインが長期にわたる調整局面を抜け、3月までに200%近く上昇して7万3000ドルに達する直前のことだった。

苦境のアルトコイン

アルトコイン保有者は、アルトコインが上昇し、ビットコインのパフォーマンスを上回る前に、さらなる苦境に直面する可能性があると市場調査会社ByteTreeは27日のレポートで述べている。

「アルトコイン投資家は信念を貫く必要がある。厳しい状況だが、アルトコインのビットコインに対するパフォーマンスの低さは困難を極めている」とByteTreeの創設者チャーリー・モリス(Charlie Morris)氏は記している。

「良いニュースはポジショニングが軽いことであり、好況が戻ってきた際には、さらなる強気相場が期待できる」

過去の市場サイクルでは、ビットコイン半減期から6カ月後に、アルトコインはビットコインの上昇に追随しているとモリス氏は指摘した。

アルトコインのビットコインに対する価格比。縦線はビットコイン半減期(ByteTree/ブルームバーグ)

直近の半減期は2024年4月19日、今年10月頃に上昇する可能性を示している。

「いずれの場合も、アルトコインは上昇する前に少し下落した」とモリス氏。

「歴史が繰り返されるのなら、アルトコインは新年に上昇を開始するはずだが、ビットコインが上昇した後になるだろう。良いニュースは、第4四半期に上昇する軌道に乗っていることだ」

|翻訳・編集:CoinDesk JAPAN編集部
|画像:CoinDesk
|原文:Bitcoin Slides Below $62K as Consolidation Drags on, but Traders Eye Possible Parabolic Rally