- 香港当局は8月28日、トークン化の「アンサンブル・サンドボックス」を開始した。
- HSBCやGSBNのような主要企業はすでに概念実証テストを開始しており、ハッシュキー・グループもサンドボックスに参加する予定だ。
- 香港証券先物委員会のジュリア・レオンCEOは、このプロジェクトは金融システムの将来性を証明するものだと述べた。
香港金融管理局(HKMA)は8月28日、トークン化の「アンサンブル・サンドボックス」をオープンし、HSBCのような大手金融機関はすでに概念実証テストを開始している。
香港証券先物委員会(Securities and Futures Commission:SFC)のジュリア・レオン(Julia Leung)CEOは、28日に行われたサンドボックスの立ち上げ式典でのスピーチで、このプロジェクトが「香港のトークン化市場の壮大なアーキテクチャを構築し、トークン化された取引が規模を拡大して超高速で決済できるように、必要不可欠なすべてのピースを接続する」ことを意図していると述べた。これは金融システムの 「将来への備え」を支援するものだと彼女は付け加えた。
電子メールで送られた声明によると、HSBCはこのサンドボックスで3つのユースケースの実証実験を完了した。
このテストには、デジタル債券の決済と記録ができるトークン化プラットフォームのHSBC Orionで発行されたデジタル債券の購入が含まれる。購入には、HSBCの元帳に記録されたトークン化された預金が使用された。
また、ブロックチェーン企業のアント・デジタル・テクノロジーズ(Ant Digital Technologies)やグローバル・シッピング・ビジネス・ネットワーク(Global Shipping Business Network:GSBN)と協力して、HSBCと恒生銀行間のトークン化された預金の銀行間送金や、電子船荷証券(eBL)の決済もテストした。
「世界貿易を支える重要な文書であり、商品の所有権を法的に移転する手段として機能するeBLのトークン化は、世界の物理的な海運フローの証券化への道を初めて開くことになる」とGSBNは電子メールで声明を発表した。
アジアの暗号資産(仮想通貨)金融サービスグループであるハッシュキー・グループ(HashKey Group)もまた、最近のプレスリリースで、現実資産(RWA)のトークン化と取引を模索するパイロット事業を実施すると述べている。
|翻訳:CoinDesk JAPAN
|編集:井上俊彦
|画像:Shutterstock
|原文:Hong Kong Markets Authority Opens Its Tokenization Sandbox and Major Institutions Dive In