仮想通貨規制の世界的な標準化が必要:フランス中銀副総裁

フランスの中央銀行幹部が仮想通貨資産に対する世界的な規制の枠組みを求めた。

2019年10月15日(現地時間)にロンドンで行われた公的通貨金融機関フォーラム(OMFIF)でのスピーチで、フランス銀行(Banque De France)のデニス・ボー(Denis Beau)副総裁は次のように述べた。

「規制格差を防ぐため、『同じ活動、同じリスク、同じルール』の原則に基づく全体的な整合性が強く求められている」

そして、それを確実にする唯一の方法は標準化された規制の枠組みだと述べた。

このコメントは、フェイスブック(Facebook)が主導するデジタル通貨プロジェクトのリブラ(Libra)が、金融秩序を脅かすとして規制当局や中央銀行の怒りを買ったことを受けたものだ。

ボー氏はリブラと中央銀行デジタル通貨(CBDC)を比較しながら、まだローンチされていないコインが「重大なマーケットパワーを持ち、安全性や金融安定性のリスクとなる可能性がある」と述べている。

ボー氏はリブラの問題について直接的な回答を示さず、世界的な規制の必要性について述べ、各国の中央銀行が独自のCBDCを試みることに期待していると語った。

ボー氏はテクノロジーに対して強気である。コストが高く、面倒であることが多い送金システムに依存している世界的な金融エコシステムでは、分散型台帳技術が現在の多くの問題の「改善に役立つ可能性がある」と述べる。

しかし現在利用可能なトークンはその隙間を埋めることができないという。仮想通貨は総じて変動が大きく値段が高すぎて効果的に送金することができず、信頼できる価値の保管場所となるのに必要な政府の後ろ盾がないと、ボー氏は述べる。

「取り組まなければ、我々の決済システムに対し、分裂や不安定、詐欺の新たな原因につながりかねない重大なリスクをもたらす可能性がある」

このことは中銀当局者がマネーサプライを提供する新たな方法を検討すべき理由になると、ボー氏は述べる。

「大口決済専用のCBDCの潜在的な役割は、望ましいとは言わないまでも、検討する価値があるのではないか」

翻訳:Emi Nishida
編集:T.Minamoto
写真:Bank of France image via Shutterstock
原文:French Central Banker: The World Needs to Standardize Crypto Regulations