- ブロックストリームは、トークン化債券であるBMN2について、3回目となる販売を開始した。
- 今回のラウンドにおける価格は31000ドルとなり、投資家に同社が生成したビットコインの一部を提供する。
- ブロックストリームによると、ハッシュレートに裏付けられた債券により、投資家は最大4年間ハッシュ価格を固定できる。
ブロックストリーム・マイニング(Blockstream Mining)は、ハッシュレートに裏付けられたトークン化債券について3回目の投資ラウンドを開始すると発表した。この債券は、今後4年間の同社のマイニング活動で獲得したビットコイン(BTC)の一部を参加者に提供することになっている。
過去2回にわたるBMN2の投資ラウンドでは、合計約700万ドル(約10億円、1ドル=145円換算)が調達された。3回目の価格は31000ドル(約450万円)で、保有者に毎秒1ペタハッシュ(PH/s)のハッシュレートで生成されたビットコインを提供する。同社の広報担当者はインタビューで、販売は3週間続くと述べた。ブロックストリームは、直近の投資ラウンドで 1000 万ドル(約14.5億円)の投資を目標としている。
「ブロックストリームは、業界平均をはるかに下回る毎時1キロワット (kWh) あたり 4.5 セント以下でマイニングを提供できる」と同社広報担当者は述べる。「BMN2 に投資する方は誰でも、最もコスト効率の高いマイニングへのアクセスによって恩恵を受けるだろう。」
伝説的なビットコイン開発者アダム・バック(Adam Back)氏が共同設立した同社は、債券の販売にあたってStokrと提携している。
注目すべきは期間
暗号資産(仮想通貨)市場はますます金融色を強めており、ハッシュレートに裏付けられた案件は目新しいものではない。ブロックストリームの債券のユニークな点は、その期間にある。ブロックストリームのシニアバイスプレジデントでありマイニングセールスおよび事業開発担当グローバルヘッドのジェームズ・マセドニオ(James Macedonio)氏曰く、ほとんどの案件では、ハッシュ価格が12か月間まで固定されるものだ。EU(欧州連合)準拠のセキュリティトークンであるBMN2は、48か月間にわたってビットコインのハッシュレートにエクスポージャーを与える。
ハッシュレートとは、プルーフオブワーク・ブロックチェーン上でマイニングおよび取引を処理するために使用される合計計算能力を指し、業界における競争度とマイニングの難易度が表れる指標となる。ハッシュ価格は、テラハッシュ単位で収益を計算するマイニング指標であり、ネットワークの難易度、ビットコインの価格、ブロック補助金、取引手数料を用いて計算される。
ビットコインマイニング企業からハッシュレート先物を購入する代わりに、ブロックストリームの債券であるBMN2を購入する利点は、投資家がカウンターパーティリスクやマイナーによる失敗の可能性にさらされず、価格が4年間固定されることだとマケドニオ氏は述べる。さらに、市場のハッシュ価格は四半期ごとに調整され、マイニングの効率に依存し、エネルギー価格やカウンターパーティリスクなどのリスクを外してしまうと付言した。
「ビットコインマイニング市場は現在、歴史的に低いハッシュ価格水準にあるが、BMN2により、投資家は適切なタイミングで戦略的に市場に参入することができる」と、同社は債券について発表した7月のリリースで述べた。
ウォール街の大手金融機関、JPモルガン(JP Morgan)は先月のレポートで、ハッシュ価格は2022年9月の水準を約30%下回り、4月の半減期より前の水準を約40%下回っていると指摘している。
マケドニオ氏によると、前身であるBMN1の投資家は、主に国際的なファミリーオフィスとヨーロッパのファンドであった。 BMN2 は米国の機関投資家の関心を集め始めているが、同商品はまだ米国では提供されていない、と同氏は述べた。マケドニオ氏は、多くの BMN1 投資家が自身の投資を BMN2 にロールオーバーしたと述べた。
BMN1 は大成功を収めている。「1242ビットコイン以上のマイニングを行い、3 年間の運用期間で最大 103% の収益を上げた」と Stokr はウェブサイトで述べている。Stokr の共同創業者兼共同CEOのアルナブ・ナスカー(Arnab Naskar)氏によると、これは「現実資産 (RWA) セキュリティトークン史上最高の支払い」だという。
BMN2に関する最初の2回の投資家ラウンドは7月18日に始まり、8月12日に終了した。50万ドル(約7250万円)以上の投資を約束したアンカー投資家は割引を受け、シリーズ1に投資した。ブロックストリームのBMN1から投資をロールオーバーした投資家および新しい支援者はシリーズ2に投資した。
債券の販売で調達した資金は、債券を裏付けるハッシュレートの生成に責任を持つブロックストリームが物理的なインフラとエネルギーコストを管理するために使用される。同社はジョージア州、モントリオール、およびテキサス州にマイニング施設を有する。
今回のトークン化債券は、暗号資産取引所ビットフィネックス(Bitfinex)で取引される予定だ。
|翻訳・編集:T.Minamoto
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|原文:Blockstream Mining Starts Third Investment Round for Hashrate-Backed Tokenized Note