- アメリカの雇用統計が労働市場の弱さを示してロングポジションが大量に清算された後、ビットコインは週末にかけて5万4000ドルから5万5000ドルの間で取引された。
- 今週予定されているイベントには、大統領候補の討論会や、消費者物価指数(CPI)や生産者物価指数(PPI)などのアメリカの経済指標の発表が含まれており、マクロ経済への懸念が広がっているが、Presto Researchの市場アナリストは、ビットコインはネットワークセキュリティが過去最高水準にあるため、過小評価されていると指摘している。
ビットコイン(BTC)は、待望の大統領討論会や消費者物価指数(CPI)などのインフレを追跡するアメリカの主要経済指標の発表が控える忙しい週を前に、週末は価格がほぼ変わらなかった。
BTCは週末を通して、取引所での取引が減少する中、5万4000ドルから5万5000ドルの狭いレンジで取引された。9月6日には、雇用統計発表後の急激な市場の下落により、2億2000万ドル(約319億円、1ドル=145円換算)以上の暗号資産(仮想通貨)へのロングポジション(または価格上昇への賭け)が清算され、取引が減少した。
主要トークンも同様にほとんど変化はなく、イーサリアム(ETH)、ソラナ(SOL)、カルダノ(ADA)、エックス・アール・ピー(XRP)、トロン(TRX)などは過去24時間でわずか0.5%程度の上昇だった。中型のトークンは、イーサリアム上のミームコインであるNEIROとビットトレント(BTT)が25%上昇した。
しかし、現在のビットコインの価格は、Presto Researchのアナリストにとっては魅力的なようだ。同社は9月9日のメモで、この資産は「著しく過小評価されている」と述べている。
「最近、BTC価格の話題を独占しているマクロ要因の中で、市場はビットコインの価値を支える重要な基本要因のひとつであるネットワークの安全性を見落としている」と、Prestoのアナリストであるピーター・チョン(Peter Chung) 氏とミン・ジョン(Min Jung)氏は述べた。「ネットワークを保護する計算能力であるハッシュレートは、過去最高の毎秒679エクサハッシュ(EH/s)に達し、圧倒的に安全なネットワークとなっている」。
「この傾向が続くと信じるのであれば(実際、現物ETFが利用可能になったことは、これまでにないほど良い環境にあることを意味する)、ビットコインは現時点では大幅に過小評価されている」と彼らは付け加えた。
ビットコインマイナーは、以前にも伝えたように、ハッシュレートが過去最高値を更新している中、8月以来再びマイニング能力を拡大している。これは通常、この資産の価格の底値を意味する。
また、一部のトレーダーは、予想を下回るアメリカの給与支払額は労働市場の弱さを示す一方で、失業率の低下は差し迫った景気後退への懸念を和らげると述べた。
「6日のデータ発表以降、幅広い資産が下落していることから、予想を下回る給与データが現在の市場心理を支配しているようだ」と、Metalphaのシニアアナリスト、ルーシー・フー(Lucy Hu)氏はテレグラムのメッセージでCoinDeskに語った。「次の連邦公開市場委員会(FOMC)まで、暗号資産市場は引き続き非常に不安定な状態が続くと予想される」。
ビットコインは来週、8月の消費者物価指数(CPI)が10日に、生産者物価指数(PPI)が11日に発表される予定であることから、動きがあるかもしれない。
また、10日には、暗号資産に理解を示す共和党候補のドナルド・トランプ(Donald Trump)氏と有権者は政策決定に注目している民主党候補のカマラ・ハリス(Kamala Harris)氏が直接対決する。トランプ氏は以前、アメリカを世界の「暗号資産の中心地」にすることを目指すと発言しており、ハリス氏の側近も業界を成長させる政策を検討していると報じられている。
|翻訳:CoinDesk JAPAN
|編集:井上俊彦
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|原文:Bitcoin ‘Grossly Undervalued’ at Current Prices, Traders Say Ahead of CPI, Trump-Harris Debate Week