- ドイツ銀行の調査によると、アメリカの消費者で暗号資産を一時的な流行だと考えているのは1%未満だった。
- 回答者のうち、ステーブルコインが普及すると考えているのはわずか18%で、42%は衰退すると予想している。
- ビットコインの見通しに対する見方はそれほど楽観的ではないと調査報告は述べている。
アメリカの消費者は暗号資産(仮想通貨)に対して好意的な見方をしており、それを「一時的な流行」と考える人は1%未満と、前年から大幅に減少したと、ドイツ銀行(Deutsche Bank)が9月11日に発表した報告書で述べている。
調査対象者の半数以上が、暗号資産を重要な資産クラスおよび決済手段と捉えており、65%が現金に取って代わる可能性があると回答した。同行は3月と7月に、アメリカ、イギリス、ヨーロッパの3600人以上の消費者を対象に調査を実施した。
「今後2、3年で、ETF(上場投資信託)、アメリカ連邦準備制度理事会(FRB)の政策、当局の規制により、暗号資産の民主化がさらに進むと予想している」とアナリストのマリオン・ラブール(Marion Laboure)氏とサイ・ラビンドラン(Sai Ravindran)氏は書いている。
すべてが良いニュースというわけではなく、世界最大の暗号資産であるビットコイン(BTC)は、今年後半には暗い見通しが示され、分散型金融(DeFi)の基盤であるステーブルコインは、回答者の目には不確かな未来が待ち受けている。
回答者の3分の1は年末のBTC価格は6万ドルを下回ると考えていると答え、7万ドルを超えると考えるのは12〜14%にとどまった。9月12日の時点では、ビットコインは5万8200ドル前後で取引されていた。長期的な見通しについては、回答者の意見は分かれており、40%が今後数年間でBTCが繁栄すると考えていると回答した一方で、38%はBTCが消滅すると予想していると回答した。
安定した価値を維持するように設計された暗号資産の一種であるステーブルコインの見通しにも慎重だ。調査対象者のうち、ステーブルコインが繁栄すると予想したのはわずか18%で、衰退すると予想したのは42%だった。調査によると、ドルなどの法定通貨やゴールド(金)などの伝統的な商品に裏付けられたものは、価値を維持する可能性が高いという。
また、消費者の50%以上が、今後2年間で暗号資産が崩壊することを懸念していると述べている。
暗号資産プラットフォームのジェミナイ(Gemini)が今週初めに発表した「2024年 世界の暗号資産(2024 Global State of Crypto)」によると、近年、アメリカとイギリスでは暗号資産の採用が安定しており、リテール市場は回復の準備ができているようだ。
|翻訳:CoinDesk JAPAN
|編集:井上俊彦
|画像:Shutterstock
|原文:U.S. Consumers Say Crypto Is Here to Stay, Stablecoins Maybe Not: Deutsche Bank