FRBが17-18日に開催するFOMCは市場に不確実性をもたらし、利下げ幅についての投資家の予想は分かれている。
- ビットコインが暗号資産市場の上昇をリードし、9月の最高値を更新した。イーサリアム、ソラナ、XRP、カルダノ、アバランチは2〜4%上昇。
- だがバイナンスのオーダーブックを見ると、6万1000〜6万2500ドルの間の大量売り注文が、上昇を抑える可能性がある。
- 「多くの注目は、明日開催されるFRBイベントのリスクへのポジショニングに集まるだろう」と、LMAXグループのジョエル・クルーガー氏は述べた。
ビットコイン(BTC)は17日、米国市場の取引開始直後に6万1000ドルまで上昇した。暗号資産(仮想通貨)市場も、FOMC(連邦公開市場委員会)を控えて上昇した。FOMCでFRB(連邦準備制度理事会)は4年ぶりに基準金利となるフェデラル・ファンド(FF)金利を引き上げると見られている。
ビットコインは3週間ぶりの高値6万1330ドルまで上昇した後、反落。当記事執筆時点、6万1000ドルを若干下回っているが、それでも24時間で5%以上上昇した(日本時間18日8時30分頃には、6万180ドル付近とさらに反落している)。
市場ベンチマークのCoinDesk 20 Index(CD20)は、3%上昇して、1880。イーサリアム(ETH)、ソラナ(SOL)、エックス・アール・ピー(XRP)、カルダノ(ADA)、アバランチ(AVAX)など、多くのアルトコイン主要銘柄はビットコインを下回り、2〜4%の緩やかな上昇にとどまった。
価格が上昇したものの、ビットコインはかなり狭いレンジでの推移が続いており、FOMCを前にブレイクアウトする可能性は低いようだ。
取引高で世界最大級の暗号資産取引所バイナンスで、最も流動性の高い取引ペアであるBTC-USDTオーダーブックを見ると、6万1000〜6万2500ドルの間に大量の売り注文があり、価格が短期的にさらに上昇するという考えを否定している。
「今後、多くの注目は、明日開催されるFRBイベントのリスクへのポジショニングに集まるだろう」とLMAXグループのマーケットストラテジスト、ジョエル・クルーガー(Joel Kruger)氏は17日に述べている。
市場は、FRBが25ベーシスポイント(bps)の利下げを行うのか、50bpsの利下げを行うのかについて依然として意見が分かれている。FRBの決定が迫るなか、CME FedWatch Toolによると、投資家は50bpsの利下げの可能性を63%と見込んでいる。
「投資家は、FOMCでより大規模で、投資家により好ましい利下げとなる可能性を歓迎しており、その結果、利回りの格差は米ドル優位の状況から離れている」と同氏は付け加えた。
利下げの影響は単純ではない
K33リサーチのアナリストは、大幅な利下げ予想はリスク資産価格にパニック的な反応を引き起こす可能性があるため、ダイナミズムは必ずしも単純なものではないと指摘した。「同様の大幅な利下げは2001年と2007年の景気後退期にもあり、多くの場合、米国の景気後退リスクが高まっていることを示している」とK33リサーチは17日のレポートで述べた。
しかし、こうした過去の比較は誤解を招く可能性があるとレポートは付け加えている。実質金利は過去数カ月の間にインフレ率が低下したことでピークに達しており、より速いペースでの利下げが可能という。市場関係者は現在、年末までにFF金利は125bps引き下げられると予想している。
「インフレが落ち着き、失業率が上昇しているため、FRBは中立金利を目指して迅速な利下げを行う可能性がある」とK33リサーチのアナリストは述べた。
|翻訳・編集:CoinDesk JAPAN編集部
|画像:CoinDesk
|原文:Bitcoin Gains 5% to $61K Ahead of Fed, but Order Books Suggest Rally Could Be Capped