RWAトークン化が本格化に進むのは3年以上先か:シンクタンク調査
  • 調査回答者の65%が、債券がトークン化される可能性が最も高いと考えていることをシンクタンクのOMFIFは明らかにした。
  • 各国はブロックチェーンとトークン化を将来性のあるものとみなしており、英国や国際決済銀行によって実験が行われている。

シンクタンクのOMFIF(Official Monetary and Financial Institutions Forum)が行った調査によると、大多数の回答者は、3年以上後にかなりの水準のトークン化が到来すると考えている。

この調査はさまざまな市場参加者から構成され、「92%が金融市場はいずれかなりの程度のトークン化を経験すると考えているが、全員が少なくとも3年先だと回答した」。OMFIFは、欧州、アフリカ、アジア、南米の財務省、銀行、資産運用会社など26の機関を対象に調査を行った。

世界各国は、ブロックチェーンとトークン化を将来性のあるものとみなしている。OMFIFの調査によると、回答者の42%がブロックチェーンが金融市場インフラの主要な形式になるという点で考えが一致した。トークン化は現実資産(RWA)をデジタル化することだ。

英国の業界団体UK Financeは17日の朝(現地時間)、トークン化、中央銀行デジタル通貨(CBDC)、分散型台帳プラットフォームの実験段階を完了したと発表。バークレイズ(Barclays)、シティUK(Citi UK)、HSBC、ナットウエスト(Natwest)などの銀行が、UK Financeの7つのメンバーとともに実験に参加した。

16日には、中央銀行のための中央銀行と考えられている国際決済銀行(BIS)が、40の厳選された企業がBISに参加しトークン化を調査すると述べた。

OMFIFはまた、回答者の65%が債券がトークン化される可能性が最も高いと考えていることを明らかにした。債券はブロックチェーン上ですでにトークン化されている。今年7月31日時点で、14のブロックチェーン債券が発行され、総額は12億ドル(約1690億円、1ドル141円換算)に達しており、これは2023年に16の債券が発行されて総額が17億ドル(約2400億円)に達したときにほぼ匹敵する。

ホールセールCBDC、すなわち中央銀行が発行し金融機関のみが使用するデジタルトークンも、広く実験されている。

「我々の調査は、市場参加者が他の形式のトークン化された現金よりも、ホールセールCBDCを明らかに好んでいることを発見した」とレポートは述べた上で、「しかし、効果的な導入は強固な規制に左右される」と付け加えた。

|翻訳・編集:廣瀬優香
|画像:Shutterstock
|原文:OMFIF Survey Respondents Believe Substantial Level of Tokenization is Still Three Years Away