- ビットコインは17日の米国市場開始前に6万1000ドルを超え、バイナンスの取引量が増加した。
- バイナンスの取引レベルの急増は、局所的な市場の天井となることが多く、その後すぐにビットコインが下落する。
大手暗号資産(仮想通貨)取引所バイナンス(Binance)の取引量のパターンを指標として考えると、17日の米国市場開始前のビットコイン(BTC)の6万1000ドル(約854万円、1ドル140円換算)超えの上昇は、ビットコイン価格の短期的な天井を示している可能性がある。
ベロ・データ(Velo Data)によると、最近ビットコインは米国株式取引開始直後に下落する傾向があったため、この日前半の6%の急騰は注目に値する。しかし、この急騰に寄与した要因を考えると、示唆されているのは持続的な上昇モメンタムというよりも市場のボラティリティだ。
これはバイナンスでの取引活動によって示されている。グラスノード(Glassnode)の累積取引量デルタ(CVD)の数字によると、時価総額で最大の暗号資産取引所であるバイナンスで、1時間で8500万ドル(約119億万円)の現物取引の買い取引超過が発生した。これはここ3ヶ月以上で最も高い数値だ。累積取引量デルタは買い取引量と売り取引量の差を示す。
バイナンスの現物取引量の急増は、過去の事例では局所的な市場の天井と一致していた。実際に、8月8日、15日、20日、23日の同様の事例の後には、いずれもビットコイン価格の下落が発生した。今回もその通り、ビットコインは上昇の後に6万ドルを下回るまで反落している。
この動きは、一部のトレーダーがこうした価格上昇を利用して、購入価格を上回る価格でビットコインを売却していることを示唆している。短期保有者(ビットコインの保有期間が155日未満の投資家と定義)から7億5000万ドル(約1050億円)相当のビットコインが利益が出ている状態で取引所に送られた。これは8月末以来2番目に高い金額だ。
一時的な価格上昇時に利益確定を行うこの戦略が増加していることは、大口参加者の見通しがより慎重になっていることを示している可能性がある。
市場の過熱状態は、先物取引の未決済建玉の増加にも反映されていた。グラスノードによると、ビットコイン建てで8600以上の新規契約が市場に参入した。
未決済建玉の大規模な急増は、新規資金が市場に流入していることを示すことがよくある。トレーダーがレバレッジを使用して短期的な価格変動から利益を得ようとしているということだ。この資金流入がビットコインの上昇に寄与した可能性があるが、同時に市場にリスクをもたらしている。なぜなら、レバレッジの増加は利益と損失の両方を増幅させ、短期的なボラティリティの可能性を高めるからだ。
|翻訳・編集:林理南
|画像:Glassnode
|原文:Bitcoin’s Rise Over $61K Could Signal Local Top, Binance Volume Indicates