- 超党派の暗号資産擁護団体Stand With Cryptoは、民主党の米大統領候補、カマラ・ハリス氏の評価を「B」から「NA」に変更。
- 共和党の選挙キャンペーンとは異なり、民主党は包括的な暗号資産政策を持っていない。
民主党の米大統領候補であるカマラ・ハリス(Kamala Harris)氏は、政治活動委員会(PAC)の「Stand With Crypto」により、以前の「B」評価を取り消され、現在は「N/A(該当なし)」にランク付けされている。
ハリス氏の以前のB評価は、同氏が献金者向けに行った最近の演説からの引用に基づくもので、演説の中で「アメリカの未来に投資する」とし、「消費者と投資家を保護しながら、AIやデジタル資産のような革新的な技術を」奨励すると述べた。
しかし、それを除けば、ハリス氏の選挙キャンペーンは暗号資産政策を明確にしていない。
Stand With Cryptoは、ハリス氏が「デジタル資産(digital assets)」と2語だけ言及したことを「やや親暗号資産」とみなし、同氏のB評価には「やや支持的」という一般的な説明が添えられた。
同団体の使命は、暗号資産を支持する政策を明確に打ち出すよう政治家に促すことであるため、その意味で、B評価の取り消しはハリス氏に対する同団体の評価の格下げと見ることもできる。
共和党は詳細な政策を提示
一方、共和党陣営は詳細な暗号資産政策を提示しており、「民主党の非合法かつ非アメリカ的な暗号資産の取り締まりに終止符を打ち、中央銀行デジタル通貨(CBDC)の創設に反対する」と述べている。また、「ビットコインをマイニングする権利を守り、すべてのアメリカ人がデジタル資産のセルフカストディを行う権利を持つことを確実にする」と約束している。
CoinDeskは最近、選挙キャンペーンの情報筋を引用し、ハリス氏の選挙キャンペーンが暗号資産への見解を深く掘り下げる可能性は低いと報じた。
CoinDeskに語った情報筋によると、暗号資産はハリス氏が強調する予定のいくつかの経済イノベーションの1つで、同氏の選挙キャンペーンでは暗号資産政策を広範囲かつ高水準に保つという。
暗号資産関連企業からの声
選挙キャンペーンは、リップル・ラボ(Ripple Labs)やコインベース(Coinbase)の幹部を含む暗号資産の内部関係者との高水準な議論を続けている。
コインベースの最高法務責任者であるポール・グレワル(Paul Grewal)氏は、CoinDeskとのインタビューで、ハリス陣営が暗号資産業界のニーズを理解しつつあることに楽観的な見解を示し、ハリス氏と共和党の大統領候補、ドナルド・トランプ(Donald Trump)氏の両方の立場が進展していることに言及。
「我々が望んでいるのは賢明なルールだけであり、我々はそれに従うつもりだ」とグレワル氏はCoinDeskに語った。
グレワル氏は、暗号資産が超党派の問題であり続けることを望むとCoinDeskに語った。サークル(Circle)のCEO、ジェレミー・アレール(Jeremy Allaire)氏も後にCNBCとのインタビューで同様の意見を述べ、暗号資産を「パープルの(超党派の)」問題と呼んだ。
分散型予測市場ポリマーケット(PolyMarket)のベッター(賭けをする人)たちは、ハリス氏を優位に置いており、トランプ氏が勝利する確率を48%と予測しているのに対してハリス氏は50%となっている。
|翻訳・編集:廣瀬優香
|画像:カマラ・ハリス氏(YouTube)
|原文:Harris Loses ‘Support’ Rating from Crypto Advocacy as Grade Changes to ‘NA’ From ‘B’