ビットコイン、6万ドルまで下落。利下げ後の上昇分をほぼ失う
  • ビットコインは24時間で3%下落。ソラナ、アバランチ、ポルカドット、ニアプロトコルなどの主要アルトコインは5〜10%下落した。
  • イランがイスラエルへのミサイル攻撃を準備しているとの報道を受け、S&P500とナスダックも下落。
  • 「戦争のニュース」が資産価格に持続的な悪影響を与えることはほとんどない、とスイスブロックのアナリストは記した。

暗号資産(仮想通貨)市場は1日の米取引時間中に下落、中東情勢の緊迫化を伝えるニュースが投資家をリスク資産から逃避させた。

ビットコイン(BTC)は、欧州時間には6万4000ドル近くまで上昇したが、その後、ホワイトハウスは、イランによるイスラエルへの弾道ミサイル攻撃が間近に迫っている兆候を掴んだとAxiosが報じたことで、6万2500ドルまで下落。さらに、イスラエル国防軍(IDF)がイランに対してミサイル攻撃を行ったと述べたため、6万1000ドルまで下落した。

午後遅くには、6万ドルをわずかに上回る水準までさらに下落し、9月中旬に米連邦準備制度理事会(FRB)が0.5%の利下げを行ったことを契機にした上昇分をほぼ失った。

暗号資産市場のベンチマーク、CoinDesk 20 Indexは米取引時間中に約5%下落、イーサリアム(ETF)の下落はやや穏やかで、3.8%下落し、2500ドルを少し上回る水準となった。アルトコインの主要銘柄は大幅に下落し、ソラナ(SOL)、ポルカドット(DOT)、アバランチ(AVAX)、ユニスワップ(UNI)、レンダートークン(RNDR)、ポリゴン(POL)、ヘデラハッシュ(HBAR)は5〜10%の下落となった。

米国の主要株価指数も下落して始まり、S&P500とナスダックは、取引時間終盤にはそれぞれ1%、1.7%下落した。金は1%上昇して1オンスあたり2690ドルとなり、先週記録した2700ドルをわずかに上回る過去最高値に迫った。WTI原油は3%上昇して1バレルあたり70ドルを超えた。

金とビットコインの価格推移の乖離は、ビットコインが株式などのリスク資産と高い相関関係を持つことを浮き彫りにした。金が伝統的な安全資産としての役割を果たしていることは言うまでもない。K33リサーチは1日のレポートで、ビットコインとS&P500の30日相関関係は現在、0.62の年間最高水準値に近づいていると指摘した。

(James Van Straten/TradingView)

ビットコインの1日の下落は、ほぼ1年前、中東で混乱が始まった当初の価格推移を思い起こさせるものであり、4月7月に、中東のニュースに反応して暗号資産が下落した状況と似ていることは言うまでもない。

スイスブロック(Swissblock)のアナリストは、テレグラムの市場アップデートで暗号資産に対する強気見通しを繰り返し、「今日、市場を圧迫しているような『戦争のニュース』が、資産価格に持続的な悪影響を与えることはほとんどない」と述べた。

さらに「我々は強気を維持する」と付け加えた。

|翻訳・編集:CoinDesk JAPAN編集部
|画像:Megamodifier/Pixabay
|原文:Bitcoin Crumbles to $60K, Giving Up Most Post-Fed Rate Cut Gains