暗号資産先物、ビットコイン急落で4億5000万ドルの清算
  • 地政学的な圧力により市場が低迷したため、5億ドル近い暗号資産への強気の賭けが清算された。
  • CoinGlassのデータによると、10月に入ってからトレーダーの86%が強気だったことが示されている。

主要トークンに連動する先物は、ビットコイン(BTC)の急落により、主要トークンが一部8%も下落したため、過去24時間で4億5000万ドル(約652億5000万円、1ドル=145円換算)以上のロングポジションに清算が発生した。

CoinGlassのデータによると、ビットコインのトレーダーで価格上昇を予想していた人々は1億2200万ドル(約177億円)以上の損失を被り、イーサリアム(ETH)では1億ドル(約145億円)近い損失となった。小規模なアルトコインでは、7月以来で最高額となる8500万ドル(約123億2500万円)以上の清算が記録され、ミームコインのぺぺコイン(PEPE)では1000万ドル(約14億5000万円)という異例の高額な清算が行われた。

清算とは、トレーダーの初期証拠金の一部または全部の損失により、取引所がトレーダーのレバレッジポジションを強制的にクローズすることを指す。これは、トレーダーがレバレッジをかけたポジションの証拠金要件を満たすことができない(取引を継続するための十分な資金がない)場合に発生する。大規模な清算は、パニック売りやパニック買いなどの市場の極端な動きを示すことがある。清算の連鎖は、市場の転換点を示唆していることがあり、市場心理の過剰反応により価格の反転が差し迫っている可能性がある。

イランがイスラエルに向けてミサイルを発射し、後者も数日以内に報復すると宣言したため、10月1日には世界的に、株式やビットコインなどのリスク資産が打撃を受けた。歴史的に強気な月に最悪のスタートを切ったBTCは、10月1日の遅くに6万300ドルまで下落した。しかし、2日のアジア市場では6万1500ドル以上に回復した。

この下落により、先物トレーダーは8月初旬以来最大の損失を被った。

データによると、先物取引のほぼ86%が強気だったことが示されている。10月は伝統的にビットコインに有利であり、2013年以来、2回だけがマイナスであったため、トレーダーたちは今後数週間の価格上昇を見込んでいた。

ここ数週間の市場状況は、世界的な金融政策やアメリカの政治的支援を含め、強気トレンドが継続していることを示しており、一部のトレーダーは今後数週間のビットコイン価格を7万ドルと予測している。

|翻訳:CoinDesk JAPAN
|編集:井上俊彦
|画像:Shutterstock
|原文:Bitcoin Plunge Causes $450M in Bullish Crypto Bets Liquidated