ビットコインの6万2000ドル超えの反発は短命──イーサリアム、XRP、カルダノ、チェーンリンクが下落
  • 6万2000ドルを超えたビットコインの小幅な上昇は短命に終わり、イーサリアム、XRP、カルダノ、ソラナは過去24時間で5~7%下落した。
  • QCPのアナリストによれば、中東の紛争がさらに激化すればビットコインは5万5000ドルまで下落する可能性があるが、6万ドルの水準はこれまでのところ強力なサポートとなっている。
  • CryptoQuantは第4四半期の価格目標を8万5000~10万ドルに設定したが、需要の回復が必要だ。

地政学的混乱による売りからのビットコイン(BTC)の小幅な反発は、2日のアメリカの取引時間中に6万2400ドル(約904万8000円、1ドル145円換算)で止まり、その後6万1000ドルを下回った。

ビットコインは本記事執筆時点で6万200ドルで取引されており、過去24時間では3%下落している。一方、暗号資産(仮想通貨)市場のベンチマークであるCoinDesk 20 Index(CD20)は同期間で3.8%下落した。アルトコインはさらに下落が激しく、イーサリアム(ETH)、エックス・アール・ピー(XRP)、カルダノ(ADA)、チェーンリンク(LINK)、ニアプロトコル(NEAR)はこの日5~7%下落した。

アメリカの株式指数は、イスラエルとイランの間の紛争激化で1日に下落した後、ほぼ横ばいとなった。金は上昇幅を縮小し、原油はこの日の高値の72ドルから70ドルに反落した。これは投資家の間で軍事的緊張が激化することへの懸念が和らいでいる兆候かもしれない。

日本円は、石破茂次期首相が近い将来のさらなる利上げを否定し、日本経済はまだより引き締め的な金融政策の準備ができていないと述べたことを受け、米ドルに対して1.8%下落した。中央銀行の政策が緩和的であり続けることはリスク資産の支えになる。日本銀行が8月に行った予想外の利上げは、低金利の円建て融資で資金調達していたトレーダーがポジションを解消せざるを得なくなり、広範な市場崩壊を引き起こした。

ビットコインは重要な水準を試す

もともと強気な月になると広く予想されていた10月に暗号資産市場が厳しいスタートを切ったことは、暗号資産トレーダーにさらなる下落への懸念を抱かせている。ビットコインが先月5万2000ドルから6万6000ドルまで急上昇した際の熱狂は急速に冷めている。

価格が反発するか、さらに下落するかは、ビットコインが現在再度試している「強気市場サポートバンド」を突破するかどうか次第になる可能性がある。このバンドは20週間単純移動平均線(SMA)と21週間指数平滑移動平均線(EMA)を組み合わせた重要なトレンド指標だ。このバンドは過去の上昇トレンド時に価格のサポートとして機能することが多く、現在は6万1100ドルから6万2900ドルの範囲にある。バンドから反発すれば9月の安値からの上昇トレンドが再開することになるが、決定的な下抜けが起きればこれまでの上昇分が帳消しになり、6万ドルを下回る水準で数週間もみ合い相場となる可能性がある。

暗号資産ヘッジファンドQCPのアナリストらは2日、「中東紛争がさらに激化し、投資家がリスクオフに動けば、ビットコインは5万5000ドルまで下落する可能性があるが、6万ドルの水準はこれまでのところ強力なサポートとなっている」と指摘。「中東の地政学がしばらくは注目を集めるだろうが、売り圧力が弱いことは市場がリスク資産に対して引き続き十分に強気であることを示唆している」と述べた。

アナリストらはさらに、「この小さな反落によって大局を見失うべきではない」とし、「世界最大の中央銀行(FRB)と3番目に大きい中央銀行(中国人民銀行)が本格的に利下げサイクルを開始したため、2025年に向けて資産価格は引き続きサポートされると予想される」と述べた。

ブロックチェーン分析会社CryptoQuantは、アメリカで上場している現物ETF(上場投資信託)に牽引され、ビットコイン需要が夏の低迷から回復する兆候があると指摘した。

CryptoQuantによれば、需要が回復し、年末の有利な季節要因が実現すれば、ビットコインは第4四半期に8万5000~10万ドルの範囲を目指す可能性があるという。アナリストらは、「こうした水準は、短期トレーダーが価格上昇後に利益確定することが多いオンチェーントレーダー実現価格バンドの上限と一致する」と述べた。

|翻訳・編集:林理南
|画像:CoinDesk
|原文:Bitcoin Bounce Above $62K Quickly Fades; Ether, XRP, ADA, LINK Lose as Torrid October Continues