ソラナはイーサリアムより「過大評価」も、トランプ政権ならアウトパフォーム継続か:スタンダード・チャータード

ソラナ(SOL)はいくつかの指標に基づけばイーサリアム(ETH)に比べて過大評価されているように見えるが、各トークンの相対的なパフォーマンスやビットコイン(BTC)に対するパフォーマンスは、米国の次期大統領が誰になるかに大きく左右されると、スタンダード・チャータード(Standard Chartered)は現地時間10月8日に発表したレポートで述べた。

デジタル資産リサーチ部門のグローバルヘッドであるジェフ・ケンドリック(Geoff Kendrick)氏が率いる同銀行のアナリストらは、ドナルド・トランプ(Donald Trump)氏が当選すれば暗号資産(仮想通貨)規制がより緩和され、スポットをベースとしたソラナETF(上場投資信託)が承認される可能性が高くなると予想しているが、一方でカマラ・ハリス(Kamala Harris)政権となると、より小規模でリスクの高い暗号資産には重しとなる可能性がある。

とはいえ、同アナリスト・チームはトランプ政権となればソラナが3つの通貨の中で最もパフォーマンスが高く、イーサリアム、ビットコインがそれに続くと予測している。また、ハリス政権下では逆の結果が予想され、ビットコインがイーサリアムをリードし、ソラナが後塵を拝するとしている。

しかし、同銀行のアナリストらは、11月の選挙で誰が勝っても暗号資産に対して強気な姿勢を維持しており、ハリス政権下では2025年末までにイーサリアムは7000ドル(約103万円、1ドル=147円換算)、トランプ政権下では10000ドル(約147万円)まで上昇すると見ている。同銀行は以前、2025年末のイーサリアム価格目標を14000ドル(約205万円)としていた。

同レポートによると、誰が当選しても、ビットコインは同期間に200000ドル(約2940万円)まで急騰する可能性がある。

イーサリアムに対して過大評価されているソラナ

イーサリアムはブロックチェーンアプリケーションの主要なレイヤー1ネットワークだが、ソラナのブロックチェーン・アクティビティの増加とソラナの急激な価格上昇により、多くの暗号資産の観測筋は立場の交代が迫っていると見ている。

暗号資産の評価は従来の資産のように標準化されていないが、スタンダード・チャータードのアナリストは、ソラナがイーサリアムに比べて過大評価されていることを示すいくつかの指標を提示した。

ソラナの時価総額とネットワーク手数料収入の比率は250で、イーサリアムの121の2倍以上である。ソラナの供給量は年間約5.5%増加しているのに対し、イーサリアムのトークンインフレ率は年間約0.5%であるとアナリストらは付け加えた。インフレ率が高いというのは、ソラナの実質的なステーキング利回りがイーサリアムの2.3%に対して1%であることを意味する。一方、ブロックチェーン業界の開発者の38%がイーサリアムエコシステムに取り組んでおり、対するソラナの占めるシェアは9%だ。

「ソラナの評価指標は、市場がソラナの非常に明るい成長の未来を織り込んでいることを示唆しており、スループットは100~400倍に増加すると予想されている」とケンドリック氏は述べた。「このような評価は、ハリス政権よりもトランプ政権の方が正当化しやすいだろう」と同氏は付け加えた。

同レポートによると、現在の評価を維持するために、ソラナは金融、消費者、分散型物理インフラ(DePIN)など、トラフィック量の多い複数の暗号資産セクターで優位性を主張し、効率性の向上を可能にするファイアダンサー(Firedancer)クライアントをアクティブ化する必要があるという。

|翻訳・編集:T.Minamoto
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|原文:Solana Is ‘Richly Valued’ Versus Ether, but Could Still Outperform If Trump Gets Elected: Standard Chartered