ビットコインは、若い世代に資産形成の新たなフロンティアを意味する。バイビット(Bybit)のコンテンツ責任者サイラス・イップ(Cyros Ip)氏は、高騰を続ける不動産を追い求めるのではなく、若い投資家は資金をビットコイン(BTC)に振り向けることを検討すべきかもしれないと述べている。
●
資産クラスとしての不動産は、シンガポールや香港などのアジアの大都市においては不動産価値の上昇によってシニア層の資産が増加し、富裕層が増える要因となっている。こうした世代の一部は現金をそれほど持っていないかもしれないが、不動産でかなりの資産を保有しているケースがある。
例えば香港では、たとえ1ベッドルームの小さなアパートであっても、不動産を所有している親世代はミリオネアである可能性が高い。しかし、ミレニアル世代やZ世代などの若い世代にとっては、不動産価格の高騰は単なる課題ではなく、きわめて大きな財政的負担となっている。若い世代の多くは、長期・高金利の住宅ローンに苦しめられており、社会的な地位向上に苦戦している。つまり、急速な都市化は、若い世代が不動産によって、親世代と同レベルの富を築くことはほぼ不可能にしている。
不動産による資産形成は、若い世代にはもはや現実的ではないかもしれないが、明確な代替策があまり存在しないため、多くの若者世代は不動産を依然として唯一の選択肢と考えている。不動産市場はアジア各都市で上昇を続けているため、ついていけない人たちもいる。やがて、彼らは自分たち自身が経済的な悪循環に陥っていることに気づくだろう。
こうしたジレンマの中、一部の専門家はビットコインなどのオルタナティブ(代替)投資を推奨している。「仮想不動産」の一形態と見なされるビットコインは、若い投資家にユニークなチャンスを提供する。つまり、供給量が2100万に制限されているビットコインは、ほとんどの不動産よりも希少といえる。さらに流動性の高い市場によって、多額の頭金を準備したり、実際に不動産を所有するといったハードルなしに、投資家はいつでもビットコインを取引できる。これらがビットコインが魅力的な投資の選択肢である理由だ。
世代ごとに、富は変化し、再分配されることが多く、ビットコインはそうした富の移行において重要な役割を果たす可能性がある。データによると、テクノロジーに精通している若い世代は、暗号資産投資により前向きだ。こうした世代による違いは、ビットコインが、シニア世代から若い世代への富の移転プロセスにおいて重要な役割を果たす可能性を示している。
ビットコインは、若い世代にとって資産形成のニューフロンティア。若い投資家たちは、高騰を続ける不動産を追い求めるのではなく、ビットコインに資金を振り向けることを検討するかもしれない。
ただし、ビットコイン投資を行う際には、投機的な取引ではなく、住宅用不動産と同じ様にビットコインを保有し続けるという長期的な考え方が重要だ。こうした責任感と慎重さを持ったアプローチは、厳しさを増す金融情勢の中で永続的な富を築くための鍵となる。
|翻訳・編集:CoinDesk JAPAN編集部
|画像:Dan Gold/Unsplash
|原文:For Millennials, Bitcoin Is the New Real Estate