ビットコイン、6万3500ドルに再挑戦──中国の曖昧な財政刺激策が資本移動を抑制
  • ビットコインは11日の高値である6万3000ドル超えの水準に回復し、上昇の勢いを維持している。
  • 非常に好感されていた中国の景気刺激策発表は期待を下回り、中国関連資産への資金流出が続く可能性が低いことを示唆している。

ビットコイン(BTC)は12日、非常に好感されていた中国の財政刺激策発表が期待を下回り、中国株式への資本移動の可能性が低下したことを受け、6万3000ドル(約945万円、1ドル150円換算)を超える水準での足場固めに向けて再び上昇した。

12日の記者会見で、中国の藍仏安(Lan Fo’an)財政相は低迷する不動産セクターと債務を抱える地方政府への追加支援を約束したが、エコノミストらが巨大な中国経済のデフレスパイラルを回避するために必要だと考える、国内消費を促進するための政府計画についてはほとんど情報を提供しなかった。

フォレックスライブ(ForexLive)のアナリストらは、財政省は債務発行の増加を発表したが、財政刺激策の詳細を開示しなかったため、市場を失望させる可能性があると指摘した。

つまり、中国株式は来週に下落で反応する可能性が高く、マクロ投資家は暗号資産(仮想通貨)から中国関連株式に資本を移動させることを思いとどまるだろう。一部のアナリストによると、これは9月下旬から10月上旬にかけて起きたことと全く同じだ。この時期に中国人民銀行による景気刺激策が多数発表されたことで売られ過ぎた中国株式の反発を引き起こし、アジアの株式市場と暗号資産から資本を吸い出した。

CoinDeskとトレーディングビュー(TradingView)のデータによると、ビットコインは北米の日中に6万3500ドル近くまで上昇し、9月下旬の6万6000ドルを超える高値からの反落を示す下降トレンドラインを試した。価格は11日遅くに6万3400ドルを上回ったが、その動きを維持できず、12日早い時間に6万2400ドルまで下落した。

トレンドラインを上回るブレイクアウトは、9月下旬の高値からの反落の終了と、5万3000ドルを下回る9月上旬の安値からの反発の再開を意味する。

次のレジスタンスラインは、3月と6月に記録された安値を結ぶトレンドラインで示される約6万9000ドル。下方向では、10月10日の安値である5万8890ドルが重要なサポートとなっている。

|翻訳・編集:林理南
|画像:CoinDesk
|原文:Bitcoin Takes Another Shot at $63.5K as China’s Vague Fiscal Stimulus Deters Capital Shift