ビットコインなどの主要暗号資産、レバレッジ解消で下落──CATが先物上場により60%上昇
  • ビットコインは週末に一時7万ドルに迫ったものの、その勢いを維持できず、2.2%下落して6万7000ドルをわずかに上回る水準まで落ち込んだ。
  • この下落は、ETH、TON、ADAなどの他の主要な暗号資産にも影響し、1億6500万ドル以上のロングポジションが清算され、市場で大幅なレバレッジが使用されていることが示された。
  • 一方、市場アナリストは、BTCやETHなどの暗号資産はレンジ相場が続く週になると予測しており、主要な抵抗水準はまだ超えられていないとしている。

ビットコイン(BTC)は週末に7万ドル近くまで上昇したが、10月22日の早朝には2.2%下落し、6万7000ドルをわずかに上回る水準まで落ち込み、主要な暗号資産(仮想通貨)も全体的に下落した。

イーサリアム(ETH)、トンコイン(TON)、カルダノ(ADA)は3%下落した。エックス・アール・ピー(XRP)とバイナンスコイン(BNB)はわずかな変動で、ドージコイン(DOGE)は1%近く下落した。

時価総額の大きいトークンを対象とするCoinDesk 20指数(CD20)は2.1%下落した。

主要トークンを追跡する暗号資産先物で、1億6500万ドル(約247億5000万円、1ドル=150円換算)以上のロング(または価格上昇への賭け)が清算され、レバレッジフラッシュの兆候が見られた。CoinDeskが10月21日に報じたように、週末にレバレッジの利用が急増していた。これは歴史的に見て、市場のボラティリティに先立つ動きだ。

また、有力な暗号資産取引所であるバイナンス(Binance)に先物取引が上場したことを受け、サイモンズキャット(Simon’s Cat)のトークン「CAT」が63%急騰し、市場の上昇を牽引した。取引高は、20日の約8000万ドル(約120億円)から、過去24時間で4億2200万ドル(約633億円)超に急増し、ネコをテーマにしたトークンエコシステムにおける最大規模のトークンに対する取引需要を示した。

サイモンズキャットのミームコインは、そのブランドと正式にリンクされており、その権利によって裏付けられている。サイモンズキャットの権利を保有するBanijay社は、昨年58億ドル(約8700億円)の収益を上げた。CATは、フロキ(FLOKI)と暗号資産マーケットメーカーDWF Labsとの提携により、8月に立ち上げられた。

一方、トレーダーたちは、ファンダメンタルズの面で目立った材料が見当たらないことから、暗号資産はレンジ相場が続く週になるだろうと警告している。

BTCとETHはともに7月の高値をまだ更新できていないが、重要な7万ドルと2800ドルの抵抗線に近づいている。シンガポールを拠点とするQCPキャピタル(QCP Capital)は、テレグラムのブロードキャストで「これらの水準を上抜ければ、リテールの注目が大きく集まる可能性が高い」と述べている。

「しかし、今週は大きなきっかけとなる材料がないため、暗号資産はこれらの水準付近で上下に揺れ動きながら、より高い水準を試す展開になるだろう。マクロデータに関しては、10月24日にアメリカの購買担当者景気指数(PMI)の数字が発表されるのみであり、市場はアメリカ連邦準備制度理事会(FRB)が利下げ路線を維持するかどうかについて、何らかの確証を求めることになるだろう」とQCPキャピタルは述べている。

|翻訳:CoinDesk JAPAN
|編集:井上俊彦
|画像:Shutterstock
|原文:Bitcoin, Majors Dip on Leverage Flush; CAT Token Runs Up 60% on Futures Listing