- ブルームバーグによると、暗号資産オプションのトレーダーたちは、ビットコインが11月末までに新たな高値を更新するとの見方を強めている。
- 11月8日に満期を迎えるオプションでは、権利行使価格7万5000ドルの取引量が最も多く、この期間における市場の注目分野を示している。
ビットコイン(BTC)は、アメリカ大統領選挙でどちらの候補が勝利しても、今後数週間のうちに過去最高値を更新する可能性があると一部のトレーダーは指摘している。11月の選挙を前に、トーンが変化してきているようだ。
トレーダーたちは、共和党のドナルド・トランプ(Donald Trump)候補が暗号資産(仮想通貨)に好意的な姿勢を示し、アメリカをビットコイン大国にすることを公約していることから、同候補の勝利が業界にとって強気材料になると長らく考えてきた。一方、民主党のカマラ・ハリス(Kamala Harris)候補は同様の公約はしていないが、特定のグループを保護するための規制を導入するとしている。
このような姿勢は、共和党候補の勝利がビットコインにとってより好ましいという期待につながっている。しかし、いくつかのマクロ経済要因が影響するため、どちらの候補が大統領に選ばれても、資産価値は上昇するだろうという意見もある。
「大統領候補の両者は有権者にアピールするために暗号資産に好意的な姿勢を示しているが、彼らの公約が実現するかどうかはまだわからない」と、暗号資産取引所BTSEの最高執行責任者(COO)であるジェフ・メイ(Jeff Mei)氏は、テレグラムのメッセージでCoinDeskに語った。「しかし、ハリス氏であれトランプ氏であれ、市場は政権交代と政策転換に前向きに反応していることは明らかだ」。
「この事実は、4年ぶりのアメリカ連邦準備制度理事会(FRB)による利下げと最近の株価上昇と時期が重なっていることから、ビットコインが史上最高値を更新し、8万ドルに達する可能性があるという説を裏付けるものだ」とメイ氏は付け加えた。
ブルームバーグによると、オプション取引業者はすでに、ビットコインが11月末までに新たな高値を更新するとの見方を強めている。大統領選挙当日に期限を迎えるビットコインオプションの予想変動率は上昇している。
11月29日に満期を迎えるコールオプションの建玉は、権利行使価格8万ドルに著しく集中しており、7万ドルの水準にも注目すべき関心が寄せられている。12月27日に満期を迎えるコールオプションの建玉は、主に権利行使価格10万ドルと8万ドルの水準に集中している。
11月8日に満期を迎えるオプションは、7万5000ドルの行使価格で建玉残高が最も多く、この期間における市場の主要な注目分野を示している。
しかし、一部では、この価格動向を強気な見通しというよりも、選挙ヘッジと見なす向きもある。
「8万ドルのビットコイン・コールを買うのは、価格上昇を狙った賭けとは言えず、より幅広い市場の回復に対する安価なオプション(インプライド・ボラティリティはそれほど上昇していない)のようなものだ」と暗号資産管理会社SOFAのインサイト責任者であるオーガスティン・ファン(Augustine Fan)氏は、テレグラムメッセージでCoinDeskに語った。
「BTCのボラティリティは選挙後、大幅に上昇しているが、これは選挙の『ヘッジ』としてここ数週間続いている傾向だ」とファン氏は付け加えた。
BTCは過去24時間で0.7%下落しているが、CoinGeckoのデータによると、より幅広い暗号資産を追跡するCoinDesk 20指数(CD20)は1.7%下落している。
|翻訳:CoinDesk JAPAN
|編集:井上俊彦
|画像:Sam Reynolds/CoinDesk
|原文:Bitcoin Is Going to $80K Regardless of Trump or Harris Win, Traders Say