- 暗号資産は、広範な株式市場とともに下落。
- 主要トークンのなかではイーサリアムが特に不振で、5%超えの下落。
- SOL/ETHレシオは過去最高値を更新し、ETH/BTCレシオは2021年4月以来の最低を更新。
暗号資産(仮想通貨)は23日、伝統的な市場全体の下落とともに下落した。
ステーブルコインと取引所トークンを除く時価総額上位20の暗号資産の指数であるCoinDesk 20 Index(CD20)は、過去24時間で2.6%下落し、チェーンリンク(LINK)のパフォーマンスが最も悪く、7.6%下落した。下降トレンドに逆らった唯一のプロジェクトはインターネットコンピュータ(ICP)で、1%上昇した。
ビットコイン(BTC)は2.3%下落して6万6000ドル、イーサリアム(ETH)は5.3%下落して2490ドルを下回った。一方、ソラナ(SOL)はさらなる強さを見せ、本記事執筆時点では169ドルで横ばいだった。
ETH/BTCレシオが2021年4月以来初めて0.038を下回り、イーサリアムはビットコインに対して新安値を更新しただけでなく、ソラナに対しても新安値を更新。SOL/ETHの取引ペアは、イーサリアムのロードマップの背後にある賢明さについて暗号資産コミュニティで新たな議論が交わされるなか、6.3%上昇して0.068と決定的な史上最高値を更新した。
「イーサリアムのロードマップに関する悪いセンチメントと疑問の多くは、ビットコインやソラナに対する最近のパフォーマンスの低さによるものだ」と暗号資産取引業GSRのリサーチディレクター、ブライアン・ルディック(Brian Rudick)氏はXに投稿した。
「しかし、ビットコインとソラナは2つの大きな特有の出来事の影響を受けたため、これは不適切な比較だ」と同氏は書いている。具体的には、ビットコイン現物ETF(上場投資信託)の大成功と、FTXの破綻からのソラナ(Solana)の復活が投資家の認識に与えた影響だ。
「2021年11月におけるビットコインの時価総額の史上最高値(ATH:All Time High)から“FTXの破綻”を除外して測定すると、イーサリアムとソラナは“ほぼ”同じパフォーマンスを示している」と同氏は付け加えた。
わずか2週間後に迫った米国の選挙も、何の助けにもならなかったようだ。暗号資産に友好的なドナルド・トランプ氏がリードしており(ベッティング市場に基づく)、カマラ・ハリス副大統領が現政権よりも暗号資産に対して敵対的でないように見えるとしても、市場は「選挙日までに上方へブレイクする」のは難しいだろうと、デジタル資産ブローカーのエニグマ・セキュリティーズ(Enigma Securities)のリサーチ責任者、ジョー・エドワーズ(Joe Edwards)氏はリサーチレポートに書いている。
広範な市場の不確実性
23日の下落は暗号資産だけにとどまらなかった。S&P500、ナスダック、ダウ・ジョーンズは、過去数カ月にわたる強い上昇の後の値固めとして、取引時間終了直前にそれぞれ1%を超える下落となった。
債券市場も下落し、10年物米国債利回りは4.25%と3カ月ぶりの高水準に上昇。このところ連日のように史上最高値を更新していた金も反落し、1.1%安の1オンスあたり2730ドル(約41万8000円、1ドル153円換算)となった。原油価格は1.35%下落し、1バレルあたり70.77ドル(約1万1000円)となった。
「心配はいらない。テスラの決算報告が市場を救ってくれるだろう」と暗号資産投資アドバイザーLumida WealthのCEO、ラム・アルワリア(Ram Ahluwalia)氏はXに投稿した上で、「全体として、金利をより高く、より長く維持するこの動きは終わりに近づいていると言えるだろう。私の見解では、11月は非常に好調に見える」と書いている。
テスラは、現地時間23日午後の株式市場終了後に四半期決算を発表した。
暗号資産関連株は引き戻しの矢面に立たされた。ビットコインマイナーが最も不調で、マラソン・デジタル・ホールディングス(Marathon Digital Holdings)とクリーンスパーク(CleanSpark)はそれぞれ約5%下落。コインベース(Coinbase)は6%下落し、マイクロストラテジー(MicroStrategy)は2.5%下落した。
|翻訳・編集:廣瀬優香
|画像:ビットコインの値動き(CoinDesk)
|原文:Bitcoin Slides to $66K, Ether Dives 5% in Market-Wide Selloff