ビットコインの市場価格が1000万円を突破し、大きな注目を集めている。「デジタル・ゴールド」などと呼ばれるビットコインは、将来の価格上昇への期待も込めて、長期保有をする人が少なくない。そういった長期保有者に向けたサービスを提供しているのが、グローバルのデジタル資産フィンテック会社GROWだ。同社のレンディング・サービスでは2024年10月30日現在、ビットコインを180日間貸し出すと年利5.39%の報酬が受取可能となっている。
ショーン・キムCEOは「中央銀行制度がないビットコインには、もともと金利や利回りはない。そのためビットコインの長期保有者(「HODLer」)は、そのほとんどがビットコインを最大限に活用できていない」と語る。
そこにGROWは目を付けた。「あらゆる金融システムには利回りのニーズが存在する。GROWのユーザーは大きなリスクを好まず、その中で最も高い利回りを求めている。そのニーズに応えるため、ビットコインのレンディング・サービスなどを通じて、ビットコインの保有者に利回りを提供することに注力してきた」とショーンCEOは振り返る。
ショーンCEOによると、GROWがビットコイン利回りのサービスを開始したとき、そのようなユーザーニーズに応える最良の方法はアービトラージ(裁定取引)だったという。アービトラージで利益を上げるためには、取引インフラ開発、資産管理、定量調査など多くの専門知識が必要だ。
ショーンCEOは「GROWのチームは、ゴールドマン・サックス、ブラックロック、PwCの元社員を含む、金融業界で10年以上の経験を持ち、クオンツ、アルゴリズム取引、フィンテックに直接携わったプロフェッショナルで構成されている。機関投資家としてのルーツを持つ私たちは、リスク管理をしっかりと理解している」と力を込める。自らも英国で金融工学を学び、PwCやクレディ・スイスで業界経験を積んできた。
暗号資産の利回りは常に進化している
ショーンCEOは「健全な金融システムには、低金利でリスクの低いものから、高利回りのものに至るまで、多くのリスク階層がある。われわれフィンテック会社として重要なのは、常にトレンドを把握し、さまざまなテクノロジーとどのようにコラボレーションし、互いに補完し合うさまざまな商品を生み出すかを認識することで、クラス最高の商品を提供することだ」と語る。
「暗号資産の新技術は、特にビットコインの利回り市場では、しばしば他の技術と『協力できる形』になっているという特徴がある。そのため、わたしたちのようなフィンテック会社が、これらの新しいメカニズムを組み合わせて、異なるニーズや優先事項があるユーザーに向けて、より良い製品やサービスを生み出す方法を考えることができる」
ビットコインを「ステーキング」に活用する新技術も
昨今では、ビットコインを「ステーキング」に活用する技術も実用化されつつある。そうした新しい技術が次々と登場する環境をショーンCEOは「非常にエキサイティングだ」と語る。
ステーキングは暗号資産をステーキングし、ネットワークに貢献したユーザーに報酬が配られるという仕組み。本来これはプルーフ・オブ・ステーク(PoS)の仕組みを用いる暗号資産に特有のものだ。
一方、プルーフ・オブ・ワーク(PoW)メカニズムを用いるビットコインは、所有・保有しているだけで、何らかの利回りや報酬を得るためのネイティブなプロトコル手法は存在しない。しかし、新技術がそうした状況を変えつつある。ショーンCEOは暗号資産業界では、そういった技術にキャッチアップしていくことが不可欠だと強調する。
「ビットコインのステーキング・プロジェクトが登場し、じわじわと浸透してきている。わたしたちは新技術を常に把握しようとしている。それは新技術によって、多様なニーズに対応する製品・サービスを作り出せる可能性があるからだ」
Make Crypto Simple(暗号資産を簡単に)が合言葉
もともとGROWは、「Make Crypto Simple(暗号資産を簡単に)」をモットーにサービスを運営してきた会社だ。利回りを生み出すノウハウだけでなく、消費者向けのUIやUXの重要性も理解している。 スマートフォンアプリのインターフェースも極めてシンプルで、暗号資産に不慣れなユーザーでも直感的に操作できるように設計されている。
「わたしたちは暗号資産の資産運用を、誰でも理解できるほどシンプルで、祖父母世代でも使えるほど簡単にしたいと考えている。暗号資産は本当に価値があり、長期にわたって保管し成長させていけるものだと、多くの人に知ってもらいたい」とキムCEOは語る。
レンディングやステーキングサービスを世界150カ国以上で展開し、674万回以上のレンディング報酬支払い、196万回以上のステーキング・トランザクションの実績を積み重ねてきた。
「暗号資産に深い理解を持つ日本のユーザーたちに向け、サービスを提供したい」
GROWのもう一つの特徴は、日本語サイトを用意するなど、日本市場の開拓にも力を注いでいることだ。
「日本の暗号資産ユーザーは、技術的側面について深い理解を持ち、長期的な期待を込めてビットコインを保有している人も多い。GROWが彼らにぴったり合うこともある」と語るショーンCEO。日本人パートナーと結婚していることもあり、以前から来日する機会が多かったが、近ごろの東京には特に大きなパワーを感じるという。
「シンガポールだけではなく香港やアメリカ、ベトナム、ソウルなども良く訪れるが、それらと比べても東京は非常に活気がある都市になった。10年前と比べて暗号資産は社会に浸透してきているし、投資やスタートアップの話も数多く聞く。そうした企業が集まる渋谷の街並みも、いま大きく変貌している。そんな日本の人たちに向けて、価値のあるサービスを打ち出していきたい」
ショーンCEOは、そう力を込めていた。
|文:CoinDesk JAPAN広告制作チーム
|写真:多田圭佑