米暗号資産(仮想通貨)取引所クラーケン(Kraken)は24日、独自のイーサリアム・レイヤー2ネットワークを立ち上げると発表した。開発には、ライバル取引所コインベース(Coinbase)のレイヤー2「Base」と同様に、オプティミズム(Optimism)が提供する開発キット「OP Stack」を採用する。
昨年11月、CoinDeskはクラーケンがレイヤー2ネットワークの開発を検討していると伝えた。同年8月、コインベースはレイヤー2「Base」を立ち上げ、人気を集めていた。クラーケンの新レイヤー2「Ink」は、2025年初頭に稼働予定だ。
最近、オプティミズムは、その技術が大手暗号資産関連企業のみならず、暗号資産関連以外の企業にも採用され、大きな成功を収めています。前述したコインベースの「Base」やソニーグループの「Soneium(ソニューム)」がOP Stackを採用。最近では、DEX(分散型取引所)ユニスワップ(Uniswap)も、OP Stackを使って、レイヤー2「ユニチェーン(Unichain)」を開発すると発表している。
独自レイヤー2の立ち上げは、もはや珍しいことではない。オプティミズム以外の主要レイヤー2であるポリゴン(Polygon)、 zkシンク(zkSync)、スタークネット(Starknet)、アービトラム(Arbitrum)もそれぞれ開発キットを提供し、自社技術の普及を目指している。
だが、クラーケンがOp Stackを採用したことは、オプティミズムをイーサリアム・レイヤー2開発における技術プロバイダーのリーダーに押し上げるかもしれない。
ライバルのアービトラムは、レイヤー2データサイトのL2Beatによると、Total Value Locked(預かり資産)が約136億ドル(約2兆円)にのぼり、最大規模のレイヤー2となっている。一方、オプティミズムは、約61億ドル。
だが、Op Stackを採用しているレイヤ−2プロジェクト群「スーパーチェーン(Superchain)」には、43のチェーンが存在し、合計TVLは181億ドル。アービトラムの技術を採用しているレイヤー2プロジェクトは29で、合計TVLは140億ドルだ。
クラーケンのレイヤー2「Ink」の責任者アンドリュー・コラー(Andrew Koller)氏は「レイヤー2は、ユーザーに提供する価値次第。その価値は、開発者の活気に満ちたエコシステムによって生み出される」と述べた。
「スーパーチェーンの一部として、Inkは開発者を惹きつける相互運用可能で多元的なオンチェーン・エコシステムの基盤を築き、次世代のDeFiアプリケーションとプロトコルのための理想のプラットフォームとなる」
|翻訳・編集:CoinDesk JAPAN編集部
|画像:クラーケンの創業者ジェシー・パウエル氏(CoinDesk)
|原文:Kraken Picks Optimism for New Layer-2 Network, Joining Coinbase’s Base on ‘Superchain’