ビットコイン(BTC)保有企業のメタプラネット(Metaplanet)は10月25日、ビットコイン保有戦略の新たな経営指標として「BTCイールド」を採用することを発表した。BTCイールドは、ビットコイン保有総額と完全希薄化発行済普通株式数の比率の変化を測定する指標で、米マイクロストラテジー(MicroStrategy)が先行して導入している。
同社の最新の実績によると、2024年第3四半期(7-9月)のBTCイールドは41.7%、10月度(1-25日)は116.4%を記録。この数値の上昇は、積極的なビットコイン取得戦略を反映している。
実際、同社のビットコイン保有量は2024年4月から10月にかけて約9倍に増加し、10月16日時点で861.387BTCに達している。購入総額は80億2200万円で、平均取得価格は931万3428円となっている。
この急速な資産拡大を支えたのが、複数の資金調達である。同社は第9回新株予約権の戦略的投資家への譲渡により13.4億円を調達。さらに、第11回新株予約権の無償割当てでは、既存株主から約100億円を調達した。加えて、10億円の普通社債発行やMMXX Venturesからの10億円融資など、多様な資金調達手段を活用している。
BTCイールドの採用に際し、同社は指標の特性について詳細な説明を行っている。この指標は完全希薄化後発行済株式数を使用し、将来的な株式の希薄化も考慮に入れる一方、負債は計算に含まれない。また、伝統的な財務指標における「利回り」とは異なり、ビットコイン投資によるパフォーマンスなどを直接反映するものではないことを明確にしている。
|文:栃山直樹
|画像:メタプラネット社ウェブサイトから(キャプチャ)