- マイクロストラテジー株のビットコイン保有高に対するプレミアムは300%近くに達しており、持続不可能だとステノ・リサーチは報告書で述べている。
- 同社の最近の株式分割による好影響は薄れつつあり、ビットコイン現物ETFのオプションが開始されれば需要も減少するだろうとステノは述べている。
- 報告書は、2021年の暗号資産の強気相場の間、マイクロストラテジーのプレミアムは200%を下回っていたと指摘している。
ステノ・リサーチ(Steno Research)は10月25日、マイクロストラテジー(MicroStrategy)のビットコイン(BTC)に対するプレミアムが現在のまま続く可能性は低いと報告書で述べた。
「マイクロストラテジーが最近行った株式分割の効果が薄れていることによって確信が強まっている」とシニア暗号資産(仮想通貨)アナリストのマッズ・エバーハルト(Mads Eberhardt)氏は述べ、さらにアメリカでビットコイン現物ETF(上場投資信託)のオプション取引が開始されたことで、投資家が株式を保有する動機がETFに比べて薄れるとも付け加えた。
マイケル・セイラー(Michael Saylor)氏が創業したソフトウェア会社は8月に1株を10株にする株式分割を実施したが、ステノによると、この動きは最近の株価上昇に貢献したという。
ステノは、同社のビットコインの保有量に対するプレミアムが最近、ほぼ300%に急騰したと指摘した。そして、同社の評価額が「資産および事業基盤の単純な計算から大幅に乖離している」ことを示唆していると報告書は述べている。
規制当局がビットコインや暗号資産全般に対してより好意的な姿勢を示すようになっているため、投資家はマイクロストラテジーの株式ではなくビットコインを直接保有することを選択する可能性があるとステノは述べた。ドナルド・トランプ(Donald Trump)氏が大統領に返り咲いた場合、この規制の傾向は継続すると予想される。
ビットコインは今四半期および2025年にかけて力強いパフォーマンスを示すと予想されており、これは「マイクロストラテジーが現在のプレミアムを維持するには、さらに高い買い需要が必要になる」ことを意味すると報告書には記されている。
特に、2021年の暗号資産の強気相場では、ほとんどの期間でプレミアムが200%を下回っていたという事実を考慮すると、マイクロストラテジーの現在のプレミアムは持続不可能であると報告書は付け加えた。
同社の株価は最近、年初来で240%以上急騰し、史上最高値を更新した。
|翻訳:CoinDesk JAPAN
|編集:井上俊彦
|画像:CoinDesk/Danny Nelson
|原文:MicroStrategy’s Current Premium Relative to Its Bitcoin Stack Is Unlikely to Last: Steno Research