- FTXの破産処理で多額の現金による和解が成立し、暗号資産取引所バイビットから2億ドル(約306億円、1ドル153円換算)を超える資産が回収される。
- 今回流入した現金は、すでに承認されているFTXの分配計画に利用され、163億ドル(約2兆5000億円)もの回収資産がまもなく元顧客と債権者への返済に充てられる。
世界的な取引所FTXの多額の損失を伴う崩壊により、同取引所は破産劇の大部分を解決中であり、現在はバイビット(Bybit)から約2億2800万ドル(約349億円)を確保し、今月初めに裁判所で承認された現金分配に充てられる。
最新の和解では、FTXがバイビットの口座に保管されていた1億7500万ドル(約268億円)の資産を回収し、バイビットがFTX債務者のBITトークンを約5300万ドルで購入することに合意。後者により「債務者は、流動性が低く収益化が難しい不安定な資産を保有することで、大きな価値を回収できる」と和解で指摘している。
FTXの遺産管理団体は、約1年前にバイビットに対して初めて訴訟を起こした際、バイビットに9億5300万ドル(約1458億円)を求め、FTXが破綻する前の数日間に「不正流用された資金」としてみなされるものを回収しようとしていた。
連邦破産裁判所は10月7日、FTXが回収を完了させるための最終計画を承認し、元顧客と債権者への返済額を、同社が2022年11月に破産を申請した際に保有していた金額の平均118%(場合によってはそれ以上)と見積もった。この数字は高いように見えるが、その資金がロックされている間に暗号資産は劇的に値上がりしており、例えばビットコイン(BTC)の場合、304%上昇した。債権者はその利益を享受することはない。
現金の支払いは「60日以内」に行われる予定だったとFTXは述べている。
昨年、FTXの破産管財人たちはジェネシス(Genesis)とも1億7500万ドル(約268億円)を回収することで合意したが、当初目指していた40億ドル(約6120億円)よりはるかに少なかった。
破産したFTXの資産整理を行うジョン・レイ(John Ray)CEOは、163億ドル(約2兆5000億円)もの資産回収を前提とした最終計画が5月に発表された際の声明で、「非政府債権者に対し、破産債権額の100%に加えて利息の返還を想定したチャプター11 (連邦破産法11条)計画を提案できる立場にあることをうれしく思う」としたうえで、「このプロセスを通じて忍耐強く待ってくれたFTXのすべての顧客と債権者に感謝したい」と述べた。
|翻訳・編集:廣瀬優香
|画像:FTXのCEOに就任し破産処理を担当するジョン・レイ氏(下院金融サービス委員会)
|原文:FTX’s $228M Settlement With Bybit Brings Conclusion of Epic Liquidation Closer