ゼロ知識ロールアップであるスタークネット(Starknet)は30日、イーサリアムレイヤー2ネットワークの1秒あたりのトランザクション(取引)数(TPS)の記録を破ったと発表した。
チームによると、スタークネットは「過去24時間で最大127.5TPS」に達したという。
プレスリリースでは、「この節目は、『レイヤー2を通じた大規模利用のためのドレスリハーサル』と呼ばれるゲームでのストレステストの間に発生した」と説明された。
スタークネットの広報担当者は電子メールで、TPSを記録するウェブサイトL2Beatを引用し、この偉業によってコインベース(Coinbase)のレイヤー2ネットワークであるベース(Base)が首位から転落し、ベースの24時間TPSの記録である79.92TPSを「大幅に」上回ったと述べた。
CoinDeskがコインベースに取材したところ、広報担当者から回答があった。「全体として、ベースの使命は10億人をオンチェーンに導くことであり、それを単独で達成できないことは承知している。より速くより安価なオンチェーントランザクションは、この技術をすべての人にとってよりアクセスしやすくするための重要なステップだ。潮が上がれば全ての船が持ち上げられると信じており、エコシステム全体でさらに速いオンチェーントランザクションに向けた進展が見られることを嬉しく思う」とのことだ。
スタークネットは、その洗練された暗号化技術と技術属性により、イーサリアムネットワーク上のレイヤー2ネットワークを構築するチームの中でトップの1つとみなされている。ただし、分散型金融(DeFi)プロトコルの主要な資金配分先のランキングでは、競合プロジェクトよりも低いランクにとどまっている。DeFi Llamaによると、預かり資産(Total Value Locked:TVL)は現在2億3570万ドル(約353億5500万円、1ドル150円換算)。これはベースの26億4000万ドルやアービトラム(Arbitrum)の24億4000万ドルを大きく下回っている。
しかし、スタークネットは、速度、相互運用性、分散化レベルなど、他の重要な指標で競っている。
スタークネットネットワークの最新の「ストレステスト」は、スタークウェア(StarkWare)、ゲーム開発会社カートリッジ(Cartridge)、スタークネット財団(Starknet Foundation)の共同の取り組みとして行われた。
テスト条件は?
チームによると、1日当たり1100万件のトランザクションが記録され、ピーク時のTPSは857だった。
プレスリリースでは、「ストレステストは、カートリッジが開発した『フリッピーフロップ(flippyflop)』というゲームで実施された」とされており、「このタイルゲームでは、ユーザーがボットと競争してグリッド上のタイルにチェックを入れた。ボットはランダムにタイルのチェックを外すことでユーザーの作業を元に戻そうとした。そのため、テーマは『人間対機械』だった。このゲーム中に生成された高いペースでの単純なトランザクションは、スタークネットのTPSの究極のテストとなるよう設計されたものだ」と説明された。
スタークネットのTPSテストが他のネットワークと同じ条件で比較したものではない可能性があることに注意すべきだ。
他の面では、多くのブロックチェーンシステムで重要なコンポーネントとなっているゼロ知識証明者などを用いて、制御された環境でテストを実施するための特別な取り組みがなされている。そして多くの場合、速度と分散化などのトレードオフが存在する。
|翻訳・編集:林理南
|画像:Starknet/Voyager.online
|原文:Starknet Claims to Shatter Transaction Speed Record Among Ethereum Layer-2 Networks