- コインベース株価は、第3四半期の純収益がウォール街の予想を下回ったことで下落した。
- JMPは、コインベースが様々な株式指数の構成要素としてより重要になるにつれ、機関投資家の関心が高まっていると述べた。
- アナリストらは、アメリカ大統領選がコインベースと業界の両方にとって重要な短期的材料であり、より穏健な規制環境につながる可能性があると述べた。
暗号資産(仮想通貨)取引所コインベース(Coinbase)の第3四半期の業績が予想を下回り、株価が下落したことを受け、現在はアメリカの大統領選が重要な短期的材料となっている。
第3四半期の収益が予想を下回ったとコインベースが報告したことを受け、株価は10月31日に7%以上下落した。
投資銀行KBWは調査レポートで、同社の純収益合計が自社予想を3%下回り、コンセンサス予想を5%下回ったと指摘した。このレポートによると、この業績未達は取引収益の低下と、サブスクリプションやサービス収益の減少によるものだった。
それでも、営業費用の削減が収益未達を上回り、調整後EBITDA(利払い前・税引き前・減価償却前の利益)の数字の改善に寄与したとKBWは指摘した。KBWは同社株を「マーケット・パフォーム(市場平均並み)」に格付け、目標株価を165ドル(約2万4750円、1ドル150円換算)としている。アナリストらは、個人投資家の取引量は予想を上回ったが、個人投資家の手数料率の圧縮によって相殺されたと指摘し、第4四半期の見通しも弱いと述べた。
別のウォール街のブローカーであるJMPは、さらなる主流への普及を促進すると予想されるため、コインベースの商品ロードマップへの注力を肯定的に捉えている。またJMPは、コインベースが様々な株価指数のより重要な構成要素となっているため、同社への機関投資家の関心が高まっていると指摘した。これは前向きな進展だ。JMPはコインベース株を「市場アウトパフォーム(市場平均以上)」に格付け、目標株価を320ドルとしている。
さらに重要なことだが、JMPはアメリカの大統領選がコインベースと暗号資産市場全体の両方にとって前向きな材料になる可能性が高いと指摘した。JMPは、選挙によって「今後数カ月間で、両党の議員の間での明確性の向上と合意形成」がもたらされるだろうと述べた。
カナコードはこの見方に同調し、来週のアメリカ大統領選後の規制体制の変更が短期的にはより大きな材料になる可能性があると述べた。
カナコードは、規制の枠組みの明確化により、現在の米証券取引委員会(SEC)のコインベースに対する訴訟が棄却される可能性があると述べた。
コインベース株を「買い推奨」に格付けし、目標株価を280ドルとしているカナコードは、第3四半期の業績についてもいくつか肯定的なコメントをしている。カナコードは、コインベースが市場のボラティリティと取引量の低下にもかかわらず、ステーキングやカストディなどの継続的な収入源からより多くの収益を得ており、第3四半期にビジネスモデルを成長させ続けたと述べた。
|翻訳・編集:林理南
|画像:Shutterstock
|原文:Coinbase’s Earnings Miss Makes U.S. Election Even Bigger Catalyst: Analysts