マウントゴックスが22億ドル相当のビットコインを2つのウォレットに送金──BTCが一時下落
  • マウント・ゴックスは、将来の弁済に備え、3万2000BTC(22億ドル)以上を新しいウォレットアドレスに移転した。
  • 現在、弁済計画は2025年10月31日まで延長されており、市場の変動に影響を与える大量のビットコインの移転が含まれている。

ビットコイン(BTC)価格は11月5日の早朝に下落した。破綻した暗号資産(仮想通貨)取引所マウントゴックス(Mt. Gox)が、将来の弁済に備えて数カ月間で最大の送金を処理したためだ。

BTCは一時6万8000ドルを下回り、その時点では24時間で2%下落していた。アメリカではこの日の朝に大統領選挙が予定されており、より広範な市場の下落につながる可能性がある。トレーダーらは、今週は市場のボラティリティが急上昇し、価格が8000ドルも変動する可能性があると予想している。

BTCはその後、上昇し、記事執筆時点で6万8900ドル前後で取引されている。

マウントゴックスは、現在の価格で22億ドル(約3300億円、1ドル=150円換算)相当の3万2000BTC超を、無記名のウォレットアドレスに送金したことが、アーカム(Arkham)のデータから明らかになった。その大半、約3万400BTCが「1FG2C…Rveoy」に送られ、2000BTCがマウントゴックスのコールドウォレットに送金された後、「15gNR…a8Aok」に送金された。

このようなウォレットへの送金では通常、ビットコインを公開市場で売却する暗号通貨取引所へ送金する前に、新しいアドレスに統合することが多い。

マウントゴックスの弁済は、ビットコイン市場に売り圧力を加えると考えられている。初期の投資家は、2013年以前の参入時よりもはるかに高い価値で資産を受け取るため、その前に保有資産の一部を売却する傾向にあるとトレーダーは述べている。

マウントゴックスはかつては世界最大の暗号資産取引所で、設立当初はビットコイン取引の70%以上を扱っていた。2014年初頭、ハッカーがこの取引所を攻撃し、推定74万ビットコイン(現在の価格で150億ドル、約2兆2500億円以上)が失われた。このハッキングは、2010年から2013年にかけて取引所が受けた数々の攻撃の中で最大規模のものだった。

管財人は数年前から返済計画を立てており、昨年、東京地方裁判所から2024年10月までの期限を提示されていた。しかし、10月には返済期限がさらに1年延長され、2025年10月31日までとなった。

|翻訳:CoinDesk JAPAN
|編集:井上俊彦
|画像:Shutterstock
|原文:BTC Drops Under $68K as Mt.Gox Sends $2.2B Bitcoin to Two Wallets