- コインシェアーズのレポートによると、マイクロストラテジーの420億ドルのビットコイン取得戦略にはいくつかのリスクがあるという。
- コインシェアーズは、「資金調達条件が好ましい状態を維持する必要があり、同社の転換社債に対する投資家の需要が必要だ」と述べた。
- コインシェアーズは、「マイクロストラテジーはそのビットコイン保有量に縛られている」と指摘した。
コインシェアーズ(CoinShares)は4日の調査ブログで、「420億ドル(約6兆3000億円、1ドル150円換算)相当のビットコイン(BTC)を追加購入するマイクロストラテジー(MicroStrategy)の野心的な計画にはリスクがないわけではない」と述べた。
マイケル・セイラー(Michael Saylor)氏が創業したマイクロストラテジーは先週、ビットコイン追加購入のための資金調達を目的として、210億ドル規模の自社株式のアット・ザ・マネー・オファリングを発表した。これは今後3年間でビットコインをさらに420億ドルを購入するというより大きな計画の一環だ。
コインシェアーズは、マイクロストラテジーがビットコイン取得計画を成功裏に実行できるかどうかはいくつかの要因に依存するとしている。
アレクサンドル・シュミット(Alexandre Schmidt)氏とサティシュ・パテル(Satish Patel)氏は、マイクロストラテジーには「資金調達条件を好ましい状態に維持」する必要があり、「転換社債に対する需要も必要だ」と述べた。
同社の債務返済コストも上昇している。コインシェアーズは、2021年にはマイクロストラテジーはゼロクーポン転換社債で資金調達できたが、それ以来新規発行社債のクーポンレートが上昇していると指摘した。
レポートは、「マイクロストラテジーはそのビットコイン保有量に縛られている状態でもある」と指摘。同社がビットコイン保有量の一部を売却することを選択した場合、その評価プレミアムが消滅するリスクがあると説明した。しかし、マイケル・セイラー氏は以前、「ビットコインは出口戦略だ」と述べ、同社が保有するビットコインを売却することに興味がないと語っている。
さらに、レポートは、ビットコインを処分すればかなりの大きさになり得る課税イベントが引き起こされる可能性もあると指摘した。将来的には保有する暗号資産に関連する未実現利益に課税される可能性もあるという。
コインシェアーズは「同社のビットコイン事業がソフトウェア事業を上回る規模になった可能性がある」とし、従来の事業からのキャッシュフローが将来的なクーポン支払いをまかなうのに十分ではない可能性があると指摘した。
株主の持ち分を希薄化させる大規模な資金調達を発表した後も、同社の株式は投資家から称賛されている。先週、ウォール街のブローカーであるカナコード(Canaccord)は、株式投資家にとってビットコインへのエクスポージャーを得るための最良の方法の1つがマイクロストラテジーだと述べた。
11月5日の取引序盤で、ビットコイン価格が7万ドル(約1050万円)に向かう中、マイクロストラテジーの株価は約8%上昇した。
|翻訳・編集:林理南
|画像:CoinDesk
|原文:MicroStrategy’s Ambitious $42B Bitcoin Acquisition Plan Is Not Without Risks, CoinShares Says