エルサルバドルのビットコイン保有額が5億ドル超え──GDP比ではブータンが高い
  • エルサルバドルのビットコイン保有額が5億ドルを超え、ブータンの保有額が10億ドルを超えた。
  • ブータンのビットコイン保有額は同国のGDPの3分の1以上を占める。一方、エルサルバドルの保有額はGDPの1.5%に過ぎない。
  • エルサルバドル政府の財政状況は引き続き改善している。

11日のビットコイン(BTC)急騰により、エルサルバドルのビットコイン保有額が5億ドル(約775億円、1ドル155円換算)を超えた。また、小国ブータンの保有額は10億ドルを超えた。

エルサルバドルのビットコイン・オフィスのデータによると、同国のビットコイン保有量は約5932BTC弱だ。本記事執筆時点の価格8万7000ドル(約1349万)で計算すると、約5億1600万ドルの価値がある。

エルサルバドルのナジブ・ブケレ(Nayib Bukele)大統領のビットコインへの賭けは印象的かもしれないが、ブータンのストーリーはさらに印象的だろう。

人口わずか80万人(エルサルバドルは640万人)の南アジアの小国であるブータンは、アーカム・インテリジェンス(Arkham Intelligence)によると、1万2574BTCを保有している。これは現在価格で11億ドル(約1705億円)の価値がある。

別の見方をすれば、ブータンのビットコイン保有額は同国のGDP(国内総生産)30億ドル(約4650億円)弱の3分の1以上に相当する。一方、エルサルバドルの5億ドルのビットコインはGDPのわずか1.5%に過ぎない。

ブータンの保有量は、ビットコインのマイニングを通じて蓄積されたと報じられている。ヒマラヤ山脈に位置するブータンは豊富な水力発電の電力を有している。9月にアーカムは、ブータンが世界第4位のビットコイン保有国である可能性が高いと報告した。

エルサルバドルは2021年の強気相場で数回ビットコインを購入した後、2022年11月からビットコインのドルコスト平均法を開始した。ブケレ大統領によると、2023年12月には保有するビットコインが黒字に転じたという。エルサルバドルのビットコイン戦略は、国際通貨基金(IMF)との間で常に懸案事項となっており、IMFは同国の財政状況について懸念を表明している。

しかし、その状況は改善を続けているようだ。エルサルバドルは12日、25億ドル(約3875億円)のドル建て債務を買い戻す意向を表明した。ブルームバーグによると、エルサルバドルの国債は先週のドナルド・トランプ(Donald Trump)氏の当選以来、4.7%上昇している。

|翻訳・編集:林理南
|画像:Shutterstock
|原文:El Salvador’s Bitcoin Stash Rises Above $500M, but Bhutan Story Might Be Even Bigger