ブラックロックがトークン化ファンドBUIDLをイーサリアム以外の5つの新しいブロックチェーンに拡大
  • ブラックロックが3月にイーサリアムブロックチェーン上で立ち上げた初のトークン化商品BUIDLが、アプトス、アービトラム、アバランチ、オプティミズムのOPメインネット、ポリゴンのネットワークでも利用可能となった。
  • ブロックチェーンベースの最大のマネーマーケットファンドであるBUIDLは、短期米国債を裏付けとしており、5億2000万ドルの資産を保有している。

世界最大の資産運用会社であるブラックロック(BlackRock)は、トークン化された現実資産(RWA)ファンドを5つの新たなブロックチェーンに導入し、イーサリアムブロックチェーン以外にも拡大して最大のマネーマーケットファンドトークンへのアクセスを広げると発表した。

ブラックロック米ドル機関デジタル流動性ファンド(BUIDL:BlackRock USD Institutional Digital Liquidity Fund)は、トークン化プラットフォームのセキュリタイズ(Securitize)と提携して発行されており、13日の発表によると、アプトス、アービトラム、アバランチ、オプティミズムのOPメインネット、ポリゴンのネットワークでも利用可能になる。

現実資産トークン化は、暗号資産(仮想通貨)と伝統的金融が交わる分野における最もホットなトレンドの1つだ。デジタル資産企業や世界的な金融大手は、政府債、プライベートクレジット、ファンドなどの金融商品をブロックチェーン上に競って導入しており、より迅速な決済と運用効率の達成を目指している。

セキュリタイズのCEO兼共同創業者であるカルロス・ドミンゴ(Carlos Domingo)氏は声明で、「デジタルであり、トークン化の利点を活用するよう慎重に設計されたエコシステムを開発したいと考えていた」とし、「これらの新しいチェーンによって、より多くの投資家が基盤技術を活用し、これまで困難だったすべてのことの効率を高めようとするのを目にし始めることになるだろう」と述べた。

ブラックロックは3月に初のトークン化商品BUIDLを導入した。BUIDLは短期米国債を裏付けとしており、価格は1ドルに固定されている。機関投資家やプロトコル資金は、オンチェーンの現金を預けて利回りを得たり、取引の担保としたりできる。また、オンド・ファイナンス(Ondo Finance)などの他の分散型金融(DeFi)プロトコルは、これを基に自らの商品を構築している。rwa.xyzのデータによると、BUIDLは5億2000万ドル(約806億円、1ドル155円換算)以上の預金を集め、23億ドル規模のトークン化米国債市場において最大の商品となっている。

BUIDLの運用手数料は、イーサリアム、アービトラム、オプティミズムでは50ベーシスポイント。アプトス、アバランチ、ポリゴンではより安価で20ベーシスポイントとなっている。エコシステム開発組織であるAptos Foundation、Avalanche (BVI), Inc.、Polygon Labs BD Investments (Cayman) Ltd.はそれぞれ、ブラックロックに四半期ごとの手数料を支払うことに同意した。

|翻訳・編集:林理南
|画像:Shutterstock
|原文:BlackRock Expands Tokenized Fund BUIDL Beyond Ethereum to 5 New Blockchains