ビットコインを批判していたミネアポリス連銀総裁、「オープンな姿勢を持つ」
  • ミネアポリス連邦準備銀行のニール・カシュカリ総裁は長年暗号資産に対して最も声高に反対していた要人の一人だったが、CoinDeskとの対談の後、オープンな姿勢を維持していくと述べた。
  • それでもなお、元銀行家のカシュカリ総裁は暗号資産の実生活でのユースケースを見出すのに苦戦している。その理由は特に、業界が主流での普及を推進してきたが、同総裁の意見では成功していないことだ。

ミネアポリス連邦準備銀行のニール・カシュカリ(Neel Kashkari)総裁は長年、ビットコイン(BTC)やその他の暗号資産(仮想通貨)を声高に批判しており、「価値がない」「詐欺的」「ナンセンス」と主張していた。

しかし今、同総裁は自身の見解が揺らぐ可能性があると述べている。

カシュカリ総裁は12日、ニューヨーク市での対談の中でCoinDeskに対し、「オープンな姿勢を持つつもりだ」と述べた。

その約束にもかかわらず、オハイオ州に生まれ育った銀行家の同総裁は対談の中で暗号資産の意義について引き続き疑問を呈した。業界は長い間存在しているにもかかわらず、広範な普及に至っておらず、有用性の欠如を示していると述べた。

カシュカリ総裁は、「投機的資産以外に、実体経済で実際に何をしているのか」とし、「もう十数年経っている」と指摘した。(暗号資産革命の火付け役となったビットコインのホワイトペーパーが発表されてから16年が経過している)

暗号資産は、アメリカでの足がかりを得るのに苦戦している(投資ポートフォリオ内の資産としての役割以外)。連邦政府の強固な抵抗により、暗号資産を従来の金融システムに接続するのが困難になっている。金融システムは部分的に連邦準備制度理事会(FRB)の監督下にある。

しかし、これは変わる可能性がある。先週、ドナルド・トランプ(Donald Trump)氏が大統領選挙に勝利した。そして、アメリカの暗号資産業界を支援し、暗号資産業界関係者から障害とみなされている米証券取引委員会(SEC)のゲイリー・ゲンスラー(Gary Gensler)委員長を解任することを約束した。

暗号資産ファンのイーロン・マスク(Elon Musk)氏を含むトランプ氏側近の一部は、カシュカリ氏の雇用主である連邦準備制度を劇的に弱体化させたいと考えていると報じられている。トランプ氏は2018年に現FRB議長のジェローム・パウエル(Jerome Powell)氏を解任しようとし、株価の暴落を引き起こした。1月に始まるトランプ氏の新政権下で辞任するかどうか尋ねられたパウエル議長は先週、「ノー」と答えた。

|翻訳・編集:林理南
|画像:Shutterstock
|原文:Senior Federal Reserve Official Who Blasted Bitcoin Now Says He’ll Have an Open Mind