- ステーブルコイン発行企業のパクソスは、フィンランドでライセンスを取得している電子マネー機関のメンブレン・ファイナンスを買収することで合意した。
- フィンランドはEU加盟国であり、EUでは今年6月、ステーブルコイン発行者に対する厳格な規制が施行された。
ステーブルコイン発行企業のパクソス(Paxos)は、欧州連合(EU)へのアクセスを獲得するため、フィンランドに拠点を置く電子マネー機関(EMI)のメンブレン・ファイナンス(Membrane Finance)を買収することで合意した。この動きは、EUのステーブルコインに関する規制が発効してから約5カ月後に起こった。
暗号資産(仮想通貨)企業は、MiCA(Markets in Crypto Assets:暗号資産市場法)への準拠を確実なものにするための措置を講じてきた。ステーブルコイン発行者を対象とする規制は今年の6月末に発効し、残りは年末に発効する予定だ。コインベース(Coinbase)は先月、未承認のステーブルコイン発行者の上場を廃止すると発表し、暗号資産取引所ジェミナイ(Gemini)はフランスで事業を開始したばかりだ。
「買収が完了すれば、当社はフィンランドとEUで完全に認可を受けたEMIとなる」とパクソスは19日に発表したうえで、「当社は、資産ポートフォリオとトークン化ソリューションをMiCAに準拠させる意向だ」と付け加えた。
買収は規制当局の承認が必要となり、買収条件は明らかにされていない。
|翻訳・編集:廣瀬優香
|画像:パクソスのチャールズ・カスカリラCEO(Danny Nelson/CoinDesk)
|原文:Stablecoin Issuer Paxos to Buy Finland’s Membrane Finance to Gain EU Access