- シカゴ・マーカンタイル取引所(CME)におけるビットコイン先物の建玉は21万8000BTC(213億ドル、約3兆3000億円)に達した。
- 暗号資産の時価総額は、歴史的な2兆ドル(約310兆円)に迫っている。
- CMEの成長は、主に活発かつ直接的な参加者によるものだとK33の調査は述べている。
時価総額が最大の暗号資産(仮想通貨)であるビットコイン(BTC)は、今月初めにドナルド・トランプ(Donald Trump)氏が大統領選挙で勝利してから価格が3万ドル上昇し、初めて時価総額2兆ドル(約310兆円、1ドル=150円換算)に近づいている。
現在1兆9300億ドル(約299兆1500億円)であるため、1ビットコインあたり約10万1000ドルの価格でこの画期的な記録を達成することになる。BTCの価格は11月21日に初めて9万7000ドルを突破し、市場ドミナンス(支配率)は61.8%弱という高水準に達した。
Coinglassのデータによると、シカゴ・マーカンタイル取引所(CME)におけるビットコイン先物取引の建玉残高は、過去最高の21万8000BTC(213億ドル、約3兆3000億円)に達し、11月5日の選挙前よりも30%以上増加した。価格が上昇する中で建玉残高も増加していることは、市場が強気であることを示す兆候だ。
「CMEの建玉残高の容赦ない急増に歯止めがかからない。史上最高値を更新し続けている」と、K33のリサーチ部門責任者であるヴェルテ・ルンデ(Velte Lunde)氏はXの投稿に記した。「文脈を説明すると、過去15日間のCMEの建玉残高の増加は、2022年以前のどの年の平均よりも大きい」。
ルンデ氏は、活発で直接的な市場参加者がこの上昇の背景にあると指摘した。この集団は先物市場に直接関与しているが、ProShare Bitcoin ETF(BITO)のような先物取引に基づくETFが成長の要因となっている可能性もある。これは、先月にCoinDeskが報じた内容だ。
アメリカのビットコイン現物ETFに連動するオプションの導入も、CME先物の成長を後押ししているはずだ。
「CMEの建玉は20万BTCを超え、活発な市場参加者が引き続きエクスポージャーを高める原動力となっている。ETFオプションの導入により、CME先物は今後も成長を続けるだろう」とルンデ氏は書いている。
ボラティリティは時間とともに低下する
ビットコインの役割が大きくなり、従来の金融(TradFi)システムとの結びつきが強まれば強まるほど、ボラティリティは長期的に低下する可能性が高くなる。過去数年間、Glassnodeのデータによると、実現ボラティリティは100%以上から約40%に低下しており、この傾向が見られた。
また、現金証拠金契約も過去最高水準に達している。この契約では、ステーブルコインまたは米ドルが担保として使用され、本質的にボラティリティは発生しない。これに対し、暗号資産担保は本質的にボラティリティが発生する。
CMEは先物取引の建玉に対して現金証拠金のみを使用しているが、バイナンス(Binance)などの個人投資家向けの取引所は暗号資産証拠金の受け入れに前向きだ。Glassnodeのデータによると、CMEは先物取引の建玉市場で33%のシェアを占めており、その割合は今も拡大している。
Glassnodeのデータによると、先物契約のうち、現金ではなく暗号資産で証拠金が支払われている割合は、過去最低の16%に達している。この数値が低くなるほど、ビットコイン価格の変動は小さくなるはずだ。
|翻訳:CoinDesk JAPAN
|編集:井上俊彦
|画像:Glassnode
|原文:Futures Open Interest on CME Surpasses 215K Bitcoin for the First Time as BTC Eyes $100K