CoinDesk JAPANは「初めての暗号資産! 口座を開設したら見る動画」シリーズの第1回を11月25日に公開した。動画はCoinDeskJAPANのYouTubeチャンネルで視聴できる。総合金融グループSBIグループの100%子会社であるSBI VCトレード代表取締役社長の近藤智彦氏が、暗号資産(仮想通貨)投資を始めたい人や口座を開設したばかりの初心者向けに、基礎知識から最新の市場動向まで幅広く解説した。
暗号資産の魅力とは?
近藤氏は、代表的な暗号資産であるビットコイン(BTC)について、「ブロックチェーンという新しい技術の上で成り立っている」と説明。この技術で分散型ネットワークができ、グローバルに取引ができる環境が整った。そうした点が近年の価値向上につながっていると述べた。
実際、ビットコインの過去10年間の価格推移を見ると、2014年から現在までには大きな成長を遂げ、特に2024年には1BTCあたり1000万円を超える大台を記録している。ただ、その過程では大きな価格変動があったことも示された。
近藤氏は「2017年末、2021年から22年、そして2024年には大きな山を迎えていますが、急激な上昇の後に下落することもある」とし、「暗号資産だけに集中させない、分散投資が重要」と指摘した。
2024年に起きたこと
2024年の暗号資産市場において、最も注目すべき出来事のひとつは1月10日のSEC(米証券取引委員会)によるビットコインETF承認だった。近藤氏によれば、これにより「機関投資家もビットコインの投資にどんどん参加してくる」状況が生まれたという。
ETFにより、暗号資産そのものを管理しなくても、暗号資産投資に参加できるようになった。近藤氏は「証券会社で、ビットコイン相当のものが買える」ようになったことも、アメリカの投資環境において大きな一歩だったと指摘した。
また、ビットコインの「半減期」というイベントについても言及。これは「ビットコインを獲得するためのマイニングと呼ばれる行為」の報酬が半分になるイベントで、「希少価値が上がるので、価格上昇と紐づけられやすい」と述べた。
暗号資産投資のリスクと安全対策
近藤氏は投資リスクについても詳しく解説。「一番大きいのは価格変動リスク」としたうえで、「詐欺のリスク」にも警鐘を鳴らした。暗号資産は現在1万から2万種類あるとされるなか、SBI VCトレードでは厳選した24銘柄のみを取り扱っているという。
SBI VCトレードとしては、セキュリティ面で次のような対策を実施していることを説明した。
– 日本円は信託会社で全額信託保全、暗号資産はすべてコールドウォレットで保管
– オフィスへの入室には顔認証、カード認証、指紋認証など多重の認証を実施
– 少数の権限者では操作できない体制を構築
– モニタリングと防御システムによる24時間365日の監視
– アカウント乗っ取り対策として2要素認証を導入
近藤氏は「SBIグループで金融商品をもう25年扱ってきている実績」を活かし、グループのノウハウも取り入れた安全管理を行っていると強調していた。
次回以降は、実際の投資手法や取引方法について詳しく解説する予定だ。
■出演者
近藤 智彦氏| SBI VCトレード株式会社 代表取締役社長
2007年、早稲田大学理工学部卒業、SBIホールディングス入社、SBIグループの情報システムを担当。同グループの電子決済事業を経て、外国為替関連事業を営むSBIリクイディティ・マーケットでシステム担当役員を務める。19年にSBI VCトレード取締役に就任、暗号資産・Web3関連事業に従事し2023年から現職。
神本 侑季 | N.Avenue 代表取締役CEO(モデレーター)
2013年にヤフー株式会社(現Zホールディングス株式会社)に入社。Yahoo!ニュースを中心にメディア・広告のビジネス開発に従事した後、海外のテックベンチャー企業と共に新規事業立ち上げを担当。2018年より、グループの投資ファンドであるZコーポレーション株式会社にてブロックチェーン領域のリサーチ、事業開発に従事。 2018年より、同社の出資により設立した次世代金融領域の情報発信を行うメディア企業、N.Avenue株式会社の立ち上げを担い、現在は代表取締役社長。世界有数の暗号資産・フィンテックメディアCoinDeskの日本版「CoinDesk JAPAN」や、国内最大級のブロックチェーンカンファレンス「btokyo」などを運営する。
|テキスト:渡邉一樹
|編集:CoinDesk JAPAN
|写真:N.Avenue